「深い自己否定」だけではなく、
強い不安感や恐れを感じている方にも同様のことが起きていると思います。ぜひ読んでみてくださいね。
「自分を愛すること」「自分を大切にすること」を難しいと感じている方へ。
癒しのひとつのゴールは「自分で自分を満たしてあげられるようになること」
自己愛や自己肯定感が大切だということが、特にここ最近、広く知られて来ていますよね。
もちろんそれは、とても重要なことです。
たとえどんなに状況が恵まれていたとしても、
「自分のことが嫌い」という状態では、幸せとは感じられません。
私は、癒しのひとつのゴールは「自分で自分を満たしてあげられるようになること」ではないかと考えています。
人間の幸せ感や安心感は、
自分自身をどう見るか。
自分自身にどう接するか、扱うか。
私自身の体験から、最終的にはそこだけだと思っています。
「自分で自分を満たしてあげること」
それが、外側に依存しない、自分自身の内側の「ホーム」としての幸せ感や安心感に繋がります。
その「ホーム」が無い状態では、どんなに恵まれた状況や環境でも、幸せ感や安心感を感じることは難しいでしょう。
極端なことを言えば、「トラウマや心の傷さえ癒せば幸せを感じられる」とは限らないということです。
もちろんその人の中で起きていることは人それぞれ様々なので、トラウマを癒すことで幸せを感じられるようになる人も居ます。「必ずしもイコールではない場合がある」というのがお伝えしたいことです。
セッションでは、この自分の内側の「ホーム」…「外側に依存しない幸せや安心感」を培って行くことを目指しています。
「自分大好き!」になる必要は無い。
「自分を愛する」とか「自分を満たしてあげる」というと、
「自分大好き!」という状態をイメージする方が、それなりにいらっしゃいます。
けれども、「自分を愛する」とか「自分を満たしてあげる」というのは、
別に「自分大好き!」になることではありません。
実は、自分が好きかどうかと、「自分を満たしてあげること」は、あまり関係が無いのです。
「自分を満たす」って、別の表現で言うと、
私の感覚としては「ジャッジせず、そのままの自分を見てあげる」とか「ありのままの自分を許す」というのが近いです。
これは「好き・嫌い」を超えたところのものです。
私たちは、心の苦しみの原因や解決を「心」だけに求めがちだが・・・
けれども私自身、ものごころついた頃から、大袈裟では無く100%の自己否定の状態…いわゆる「ネガティブ・ナルシズム」の状態で生きて来たので、
「自分を満たす」とか「ジャッジせずにそのままの自分を見る」とか、
それらが、人によってはものすごく難しいことを、痛いほど知っています。
そして、セッションを受けてくださる方のほとんどが、
「自分を愛すること」や「自分を大切にすること」を、「難しい」と感じている・・・とお話してくださいます。
そういう方たちにぜひ知っていただきたいのが、
「心」よりも、まずは「身体」を相手にして行きましょう。
ということです。
私たちは、心の苦しみの原因や解決を「心」だけに求めがちです。
けれども、心と身体は深く繋がっており、
私たちの苦しみやの原因は、身体・・・特に自律神経の状態にもあったりするのです。
ここから、そのことについて詳しくお伝えして行きます。
かつての私のように、苦しんでいる人ほど「心」に解決を求めて頑張って、
でもあまり変化が無く、更に苦しい状態になってしまっていたりします。
かなり思いを込めて書いたので、非常に長い記事ですが💦
ぜひそういう方に読んでいただけたら嬉しいです^^
「自分を愛すること」や「自分を大切にすること」が難しいのには、理由がある。
そもそも、自己否定が激しかったり、自己肯定感が低いというのは、
「自分のことを愛せない・大事に思えない」という状態です。
そして、それには理由があります。
生まれてからこれまでの人生において、
- 「愛されている」と感じることができなかった。
- 「大切だよ」というメッセージを感じることができなかった。
- 「自分には価値が無い」と思うような体験をした。
などなど・・・
(また、親の自己否定を受け継いでいるような場合もあります。)
そして、いわゆる「愛着障害」とは、このような困難を抱えている人と言っても良いかもしれません。
「自分を愛するって、そんなことができたら苦労しないよ」
そもそも、自分のことを愛せない・大切に思えない。
また、それがどういうことか、さっぱり分からない。ピンと来ない。
そういう人が、
「自分を愛することが大切です」
「自分を大切にしましょう」
それが大事と知って、
「じゃあそうしよう!」と、果たしてできるでしょうか…?
私は癒しに取り組み始めて、最初の頃に癒しの道の先輩である友人から、
「マリア様になったつもりで、自分をよしよししてあげるんだよ」
そう言われて、めちゃくちゃ腹が立って言い返してしまったことがありました。
そんなことしたくない!
それは私が求めてるものじゃない!
「人からもらえないから自分で自分に与える」なんて、そんなの虚しすぎる!
その時の私は、そんな風に思ったのです。
「自分を愛するって、そんなことができたら苦労しないよ」と、
孤独感や、やり切れなさ、情けなさ、追い詰められたような感じ・・・色々な気持ちを味わいました。
そんな反抗期?(笑)がありつつも、
「でもどうやら、自分を愛するのが大事なのは間違いないらしい…」ということは少しずつ分かって来て、
巷でよく言われる、例えば…
「自分の食べたいものを食べる」「来たい服を着る」とか、
「自分を褒める」とか、
「自分のやりたいこと、楽しいことをしてみる」とか、
「やりたくないことはやらない」とか、
「どんな思いや感情があっても、責めずに優しく受け容れる」とか、
「自分の気持ちに従う」とか・・・
あまり気は進まなかったけれど、一応はやってみたんです。
だって、それが大事だって言うだもん。
それをやれば幸せになれる、少しずつ自分を愛せるようになるって言うんだもん(T_T)
でも・・・
まず「食べたいもの」や「着たい服」とか、「やりたいこと」「楽しいこと」、
それがさっぱり分からない。
というか、考えることも苦痛・・・。
「自分を褒める」とか「受け容れる」なんて、どうやってもできない。
「自分を大切にする」ための色々を、無理にやっても、白々しい感じしか無い。
まったく自分に響かない。
ピンと来ない。
「大切にしてる感」も「大切にされてる感」も、これっぽっちも感じない。
これじゃあ意味が無いし、まるっきり苦行だよなあと、今の私は思います…
本当に今の自分に必要なことを、見極められる目を育てて行こう。
ここで、ちょっと話が脱線しますが・・・
これは、「自分を愛する」「大切にする」に限らず、癒しやスピリチュアルのワークなども同じです。
そうしたワークが、世の中には山ほどある。
有名どころ?だと「統合ワーク」とかでしょうか。
そういうものに取り組んで、
でも、私は全然変わらないんです・・・
他の人は楽になっているのに・・・
実はそういうお声も、セッションを受けてくださる方からそれなりに伺います。
効果が感じられないのは、楽にならないのは、私がダメだからだ…
そうやって更に自分を責めて、ダメだと思って、負のループに嵌まって苦しんでいる方がそれなりにいらっしゃるのです。
私もそういう時期があったので、そういう方たちの気持ちが、痛いほどよく分かります。
そして、お伝えたいしたいのは、
「100%の人に効果のある方法は無い」ということ。
ひとりひとり、心や身体の状態は違う。
必要なことも違う。
自分に合うかどうか、それしか無い。
どんな凄い人が言っている、凄い方法だったとしても、
どんなに「正しい」と言われることであっても、
自分に合わなければ、いま必要なのはそれじゃない。
自分の状態を正しく認識して、
本当に今の自分に必要なことを見極められる目を育てて行こう。
・・・ということです
まずは「身体(自律神経)」を相手にしよう♪
さて、話を戻して。
ここからが大事なお話です^^
反抗期(笑)から8年ほど経った今、
当時の私と同じように「自分を愛すること・大切にすること」を難しいと感じている方にお伝えしたいのは、
まずは「身体(自律神経)」を相手にしましょう♪
ということです
身体の状態と心の状態は連動しています。
不安や焦りでいっぱい、
自分を責める思考でぐるぐる・・・
そういった時に、
身体はゆるーくリラックスしている
・・・ということは無いですよね
そういう時に身体がどうなっているかと言うと、
- 呼吸が浅い
- 力が入っている
- 強張っている、固くなっている
- 視界が狭い
- 心拍が上がっている
- 手足が冷たい
こういったことが起きています。
これは自律神経の状態としては、交感神経が活性化している状態・・・
「闘うか逃げるか」にエネルギーが動員されている、かなり緊張した状態と言えるのです。
これ、心もしんどいけど、身体もしんどそうですよね・・・
まずは、その「身体」を相手にすること。
身体(自律神経)を少しでも緩めてあげること。
宥めてあげること。
私がお勧めしたいのは、そのことです
「自分を愛する」「自分を大切にする」ための基盤が無い状態?
特に、私もそうですが、愛着障害と言われる人は、
「自分を愛する」とか「自分を大切にする」ための、その基盤が無い。
そんな状態の方が多いと思います。
どういうことかと言うと・・・
ここから、ちょっと専門的な自律神経系のお話になりますが、難しい話ではなく、体験的に理解していただける内容だと思います^^
人とのコミュニケーションや、人や社会との温かで優しい繋がり・・・
それに欠かせないのが「腹側迷走神経(複合体)」と言われる自律神経系です。
この「腹側迷走神経」は、人間を含む哺乳類だけに発達した最新の神経系と言われています。
この「腹側迷走神経」ですが、生まれたばかりの赤ちゃんは未発達な状態です。
赤ちゃんは、養育者との安心できる触れ合いの中で、この神経系を発達させていきます。
抱っこなどのスキンシップ、優しい触れ合いや声掛け、
温かいまなざしを向けられること・・・
そういった非言語のコミュニケーションや、
また適度な興奮と落ち着きのある「遊び」、
そして泣いていたり、怒ったり悲しかったり、
そういう時に、養育者から優しくその状態を宥めてもらうことなど、
そういった経験の中で「腹側迷走神経」は育って行きます。
これが、人や社会との安全・安心な繋がりを感じ、構築していく基盤となるのです
けれども、
愛着障害と言われる人の多くが、この「腹側迷走神経」が未成熟な状態です。
人との繋がりが感じられない、深い孤独感を抱えている・・・そういった場合に、
実は「心の状態」だけではなく「自律神経の状態」にも注目する必要があると言えるのです。
「腹側迷走神経」が未成熟な状態の原因となりうること。
この「腹側迷走神経」が未成熟な状態は、
「子どもの頃(腹側迷走神経の発達時期)に、その人の身体・神経系が、
安全や安心感、温かさや優しさをじゅうぶんに感じることができなかった状態。
そう言えると思います。
「安心・安全の感覚」や「温かさや優しさを向けられる感覚(体験)」をほとんど知らない
とも言えるでしょう。
ただし、この「腹側迷走神経」が未成熟な状態の原因は、
親や養育者にケアしてもらえなかったとか、
親に愛情が無かったとか、
身体的・感情的な暴力があったとか、
そういうことに限りません。
もちろんそうした虐待などがあれば、赤ちゃんや子どもの心も自律神経系も脅威に晒され、
発達どころか、生き残るために凍り付き、深いトラウマを抱えた状態になります。
けれども、
たとえ親や養育者が、その人なりの精いっぱいの愛情をもって育ててくれたとしても、
こうした「腹側迷走神経」の未成熟の状態は起こり得る。
そのことを、私は自分の体験から知りました。
赤ちゃんや幼い子どもは、皮膚感覚など、感覚的に親や養育者の状態をものすごく感じています。
親や養育者の中にある、隠れた不安や恐れや怒りや固さ・・・
そういうものをダイレクトに感じ取っているのです。
そして、そういうものを感じると、赤ちゃんや子どもは、
自分を相手に無防備に委ねること、真に安心を感じることができません。
してはいけないように感じたりもします。
ポリヴェーガル理論においては、「協同調整」ということが言われます。
簡単に言えば、私たちは、無意識にお互いの神経の状態を感じあい、そして影響し合っているということです。
誰も悪く無くても、こうして世代間連鎖するトラウマがあると言えます。
こうしたことも、腹側迷走神経の未成熟に繋がり得ると思っています。
まず大切な「ひとりのリラックス」…自分の「ホーム」を育むこと。
もう少し詳しく自律神経系のお話をすると・・・
副交感神経系には、お話した「腹側迷走神経」と、もうひとつ「背側迷走神経」があります。
「背側迷走神経」は、消化・吸収や「ひとりのリラックス(休息)」を司ります。
そして、危機に対して「闘うor逃げる」のどちらもできなった場合、
人は「凍り付き」もしくは「シャットダウン(虚脱)」の状態になりますが、
これらは「背側迷走神経」の働きです。
(正確に言うと、「凍り付き」は、「交感神経」と「背側迷走神経」が、どちらも高活性でせめぎ合っているような状態です。)
愛着の傷やトラウマを抱えた方は、この「凍り付き」や「虚脱」の状態になりがちで、
本当の「ひとりのリラックス・安心」を感じられていないといったケースが多くあります。(=自律神経系の不調性)
そういう場合は、繋がりの「腹側迷走神経」を育むよりも、
まずは「背側迷走神経」の「ひとりのリラックス・安心」を育てて行くことが大切です。
自分の内側の「ひとりのリラックス・安心」を「ホーム(拠り所)」にして初めて、
安心して人や社会と繋がって行くことができます。
安心や温かさ、労り…そういう感覚をほとんど知らずに生きて来た。
私が、身体を安心させてあげるワークを初めてやってみた時のことです。
身体が緊張していた状態から、ふっと緩んで、安心した感覚を味わったのですが、
その時に、ものすごくびっくりしました。
私にとってその「身体の内側で感じる安心感」は、「まるっきり初めて」の感覚だったからです。
「私はこの感覚を知らずに生きて来たのだ」ということが、その時に分かりました。
私に必要なのはこれかもしれない。
そう思いました。
幼い頃から深い自己否定を抱え、癒しに取り組んでからもなかなか根本的な変化を感じられなかった、
そういう自分に必要だったのは、
「身体・神経系に、安心や安全の感覚・温かさや優しさを向けられている感覚を教えて行くことだったのだ」と分かったのです。
深い自己否定を抱えている人に起きていることとは…?
そこから、身体へのアプローチ…身体や自律神経系に働きかけて、内側に「安心・安全の感覚」を培っていくためのワークに取り組み始めました。
自分で簡単に取り組めるセルフワークが紹介されている本を、この記事の最後でご紹介しています。
ぜひご覧ください。
そして、日常の中でワークを実践していくうちに、段々とこんな風に感じるようになりました。
安心や安全の感覚、温かさや優しさ・・・
それを身体の感覚的に知らないから(=それを司る神経系が未熟だから)
自分に温かさや優しさを与えてあげることができない。
「自分に優しくする」「自分を愛する」ということが、感覚的に分からない。
優しさや温かさ、辛い時に安心させてもらう感覚を知らない冷たい場所で、ずっと自分を責め続けている・・・・
これが、幼い頃からの深い自己否定を抱えている人に起きていることではないか。
自分の体験から、そう思うのです。
皮膚感覚などについて研究されている大学の先生のお話を伺う機会があったのですが、とても興味深い実験のお話がありました。
肌に優しく触れることは、「幸せホルモン」とも呼ばれるオキシトシンの分泌を促したり、リラックス効果があったりします。
人に触れてもらうだけではなく、自分で自分に触れる「セルフタッチング」でも同様の効果があります。
その「自分に優しく触れること」を、「心地良い」と感じる人と、「心地良く無い」と感じる人が居ます。
実験で、自己否定が強い人は、自分に優しく触れるよりも、つねったり痛みを与えることの方を心地良く感じることが分かったそうです。
(私も昔、自分のことを噛んだりつねったりする癖があったので、この感覚は分かります。)
自己否定が強い人は、安心や優しさ、温かさが「自分にとって心地良いものではない」となってしまうほど、
そういう感覚が内側に無く、そして遠ざかってしまっているのだと思います。
もちろん、自己否定の原因は、「安心や安全の感覚・温かさや優しさを感覚的に知らない」ということだけでは無いと思います。
その人の性質や育った環境、経験したこと、そういったことも大きく影響していると思いますし、
深い自己否定を抱えた人すべてに当てはまるとは限らないかもしれません。
けれども、この記事を読んで何かピンと来るものがある方は、
「自分にもそういうことが起きているのかも」という視点を持ってみていただけたら、ご自身の癒しに役立てていただけたら嬉しいです
さらに詳しく知りたい方はこちらをどうぞ↓↓↓
「心」ではなく、まずは「身体」という理由。
以上が、私が深い自己否定を抱えた人に「まずは身体へのアプローチ」をお勧めしたい理由ですが、理由は他にもあります。
心理セラピーなどで、心の深いところ、潜在意識にある信念や抑圧した感情を見て行くこと、それを癒して行くことも、
本質的な癒しには欠かせない、とてもとても大切なことです。
けれども、
日常的に「自分を大切にする」ということにおいても、
「まずは身体から」というのが取り組みやすいと私は思っています。
愛着障害など、長年苦しんでいる人の思考や心は、
大抵、こんがらかって複雑になっています。
そういう場合に、
「自分を大切にする」ということを、
感情や心のレベルでやろうとするのは、難しくて当然なのです。
頭・・・思考や心は色々いろいろ言ってきます。
私みたいに「こんなことやっても無駄だ」とか「欲しいのはこれじゃない!」とか
なかなかすんなりは行きません。
けれども、身体(自律神経)は、
適切に働きかければ、落ち着いて行ってくれます。応えてくれます。
もちろん、時間はかかります。
けれども、筋トレのように地道に取り組んで行くと、
自分の身体の内側に、少しずつ「安心・安全の感覚」や「温かさ」といったものが養われて行きます。
そして、身体(神経)が落ち着くと、心も落ち着いて行きます。
身体の状態と心の状態は連動しているからです。
身体(自律神経)に働きかけるワークに日々取り組み、
「今は身体で感じる時間がいとおしいです」とおっしゃるクライアントさんのご感想をご紹介します。
「私が求めていたのはこの感覚だったのだ」と分かってくる。
この身体や自律神経の状態に働きかけるワークは、日々、筋トレのように取り組む必要があります。
身体や自律神経の状態は、当然、ワークに何回か取り組んだだけで変わるものではないからです。
内側の「安心・安全の感覚」や「温かさ」というものを感じられるようになるには、時間がかかります。
数ヵ月、半年、場合によっては年単位の時間がかかることもあるでしょう。
だから、苦しい人ほど続けることが難しかったりします・・・
苦しいと、どうしても「すぐに楽になる」ということを求めてしまうからです。
それは当然のことなのですが、、、
私も最初の頃は実践を面倒に感じることもありました。
ただ、自分で実感したことしか他の方に伝えることはできないので、半分実験のつもりで取り組んでいました。
けれども、地道に筋トレのように取り組んで、少しずつ自分の内側で「安心・安全の感覚」や「温かさ」が感じられるようになってくると、
その価値が分かってきます。実感します。
自己否定そのものが自分を痛めつけることですし、
先ほどお伝えした実験のように、自己否定が強い人は肉体的にも自分に痛みを与えることの方が「心地良い」と感じることが起きていたりしますが、
「安心・安全の感覚」や「温かさ」の価値が感じられて来ると、
これまでずっと慣れ親しんで来た「自分を痛めつける(自己否定)」ことよりも、
「安心感」や「温かさ」、そういう感覚の方が楽で心地良いと感じるようになってきます。
私の感覚では、ある時に、自分の中で価値が逆転したようなイメージでした。
そうなってくると、その「安心」や「温かさ」をもっと感じたくなります。
そしてまた、「私が求めていたものは、この安心感や温かさだったのだ」ということが、とてもよく分かるようになったのです。
すると、例えば人に怒りを感じる自分に対して、今までは、
「こんな自分はダメだ」と厳しくジャッジして、
「このパターンがあるから苦しいんだ」と思って、どうにか変えようとする。
(頑張ってそれを癒そうとするのも「変えようとする」のと同じことです。)
そんな風だったのが、少しずつ自然に、
その怒りの奥には傷付いた自分が居て、
傷付いた自分は、安心・安全の感覚や、労り、温かさ・・・そういうものが感じられなかったのだ。
そのことが実感として、とても身に迫って理解できるようになったのです。
こういった経験から生まれたのが「ソマティック・コンパッション・セラピー」です。
私にとっては、こういう自分への理解が、「食べたいものを食べる」とか「着たい服を着る」とかよりも、「自分を大切にする」という感じがしています。(あくまでも私にとっては、です。)
ですから、「自分にもこれが必要かも」と感じる方は、すぐには変化を感じなくても、
ぜひ、しばらく地道に取り組んでみていただきたいと思うのです。
ただし「身体や身体の感覚を感じる」というワークは、トラウマ反応が強い方には合わない場合があります。
身体の感覚を感じられないとか、
感じることに怖さがあると言う方は、
無意識のレベルで、「身体の感覚を感じること」=「危険」となっている場合があります。
こういう場合は、より繊細なアプローチが必要です。
そういった方は、ぜひ信頼できるプロのトラウマセラピストの助けを借りてみてください。
身体や自律神経の状態に働きかけるマッサージや鍼灸などもお勧めです。(リラックスできて心地良さを感じられるものが良いと思います。)
自分の怒りや冷酷さは「何とか変えなければならないダメなもの」や「問題」ではなかった。
私は幼い頃からずっと、自分の中の人への怒りや冷酷さ、人に優しくできないことを責め続けて、何とか変えたい、良い人間になりたいと思って来ました。
自分を癒すことに取り組み始めてからも、それらは私にとって「ダメなもの」であり、「変えなければ・癒さなければならない問題」でした。
変えるために、癒すために、「そこにどんな感情があるのか」を探り、感情を感じ切るとか受容するとか、色々なアプローチをしてきましたが、ほとんど変化は無く・・・
でも、お伝えしてきたように「身体や自律神経の状態に働きかけるワーク」に取り組み始めて、
「私が求めていたのは、こういう温かさや優しさ、労りだったのだ」ということが分かってくると、
その私の怒りや冷酷さは、「何とか変えなければならないダメなもの」や「問題」ではなく、
「温かさや優しさ、愛をまったく感じることができなかった、深く傷付いている私なのだ」と、頭の理解ではなく、真に心から理解できたのです。
しかし、たとえそれが理解できても、「傷ついた自分に優しさや労りを向けること」「受け容れること」が簡単にできたら、私は自分を癒すことにここまで苦労しませんでした。
先に書いたように、頭ではそれが必要だと分かっていても、それがまったくできずに苦しんで来たからです。
それができるようになったのは…人への怒りや冷酷さを抱えている自分に、優しさや温かさを向けることができるようになったのは、
身体・自律神経系にアプローチして、自分の内側に「安心・安全の感覚」が感じられるようになって、
それこそが私が求めていたものだと、体験的に深く理解できたからです。
これは、「心」だけを相手にしていては、恐らくずっと難しかっただろうと思います。
そういった経験から、かつての私と同じように深い自己否定を抱えて苦しんでいる方に、
本当に心から、「まずは身体・自律神経系にアプローチして、感じられなかった温かさや優しさを感じて行きましょう」とお伝えしたいのです。
「自分が自分をケアしてあげられる」という感覚。
身体や自律神経の状態に働きかけるワークに、日々筋トレのように取り組んで、「私が求めていたのはこの安心や温かさといった感覚だったのだ」と分かって来ると、
それまでちょっと面倒に感じていた日々のワークが、「自分に安心や温かさを感じさせてあげられる、心地良いもの」になって行きました。
さらに、
緊張で固くなった身体を、自分で安心させてあげる。
自分を落ち着かせてあげる、宥めてあげる。
そういった経験を積み重ねる中で、
「自分が自分をケアしてあげられるのだ。」
そういう感覚も、自分の中に芽生えて行きました。
それは私にとって未知の感覚であり、
何とも言えない、微かな自信のような落ち着きのような感覚でもありました。
さらに時間が経つと、
身体だけではなく、自分の気持ちや感情に対しても、
「自分の気持ちも大事にしていいんだ」
「大変だったね、辛いよねって言ってあげてもいいんだ」
自然に少しずつ、そういう気持ちが湧いてくるようになって行きました。
これは、自分に対して厳しく鞭打つことが当たり前だった私にとっては、驚きの変化でした。
個人セッションでは…
個人セッションでは、クライアントさんの身体の状態によく寄り添って、
身体(神経系)をほっとさせてあげる、宥めてあげる・・・
そのための、その方にもっとも適した方法を一緒に探ることをしたりもします。
- 「初めて安心というものを感じた気がする」
- 「こんな風に自分を落ち着かせてあげることができるんですね…」
- 「いつもぐるぐるしている思考が静かになって驚いた」
そんなお声をいただきます。
ポイントは、
まずは、思考や感情・心はいったん脇に置いて、「純粋に身体だけを相手にする」
ということです。
真の自己愛を培って行くために、まずは身体に「安心」や「温かさ」を教えてあげること。
「自分を愛する」「自分を大切にする」…そのために「頑張る」とか「思い込む」とかではなく、
真の自己愛を培って行くために、
まずは「身体」に安心や温かさを教えてあげること、感じさせてあげること。
私にとって、とても大きなテーマです。
またお伝えして行きますね
今後、ワークショップなども開催したいと考えています。
身体・自律神経に働きかけて、内側に「安心・安全の感覚」を養っていくために、こちらの2冊の本もおススメです!
日常の中で、自分でできる簡単なワークが沢山紹介されています。
▼個人セッションでは、傷ついた痛みを抱えた自分が、
温かさや労り、理解してもらえた感じや受け止めてもらえた感じ…
それを身体で感覚的に体験してもらうことを大切にしています。