まずは、「癒し」についての私の定義を明確にしておきましょう。
私にとっての癒しとは、
トラウマや心の傷を癒すことに留まらず、
本来の自己に目覚めて行くこと、自我(エゴ)の幻想から…つまり人間としての根本的な苦しみから抜けて行くことまで含んだものです。
私の癒しのプロセスは、まったくスムーズではありませんでした
その私の中に、ずっと在り続けた疑問。
本質的な癒しに繋がるもの、
真の癒しをもたらすものって何だろう…?
癒しの道に足を踏み入れて実践してから10年、
自分の体験から明確になってきたのが、
本質的な癒しのための「3つの柱」です。
あくまでも今の時点での認識です。
今後はまた変わって行くこともあるかもしれません。(1年前ともだいぶ変わってきています。)
それでは行ってみましょう♪
【柱その1】潜在意識(無意識の領域)にある抑圧した思いや感情を癒すこと
【柱その1】は、潜在意識(無意識の領域)にある抑圧した思いや感情を癒すことです。
心理セラピーや「トラウマの解放」が、これに当たります。
(当方のセッションのメニューの中では、エナジーコンパッションセラピーやアルクトゥルス・ヒーリングもこれに該当する部分があります。)
本当の原因や痛み(傷)は、潜在意識(無意識の領域)にある。
私たちは潜在意識(無意識の領域)に、ものすごくたくさんの「痛み(傷)」や「思い込み」を抱えています。
それが無い人は居ない!と断言できるほどです。(解脱した人とかは知りません。笑)
よく「時が一番の薬だ」とか言われますよね。
確かに、時とともに、人生の色々な出来事を経験する中で自然に癒されるものもありますが、
しかし、多くが「時間とともに顕在意識から薄れて行った」だけで、
潜在意識下には、まさに冷凍保存のように、その傷やトラウマのエネルギーが凍り付いて残ってる状態です。
実は冷凍保存のように残っているからこそ、
何らかの出来事が起きたり、人から何かされたり言われたり、そういった「トリガー」によってその傷やトラウマが刺激されて、怒りや恐れ、不安などといった「反応」が起こるのです。
けれどもその潜在意識にある「痛み(傷)」「トラウマ」は、自分では分かっていないことがほとんどです。
私たちは、自分の潜在意識(無意識の領域)にどんな思いや感情があるかに、ほとんど気付いていません。
そして潜在意識(無意識の領域)にあるものは、どれだけ頭で考えても分かりません。
それが「無意識の領域」ということです。
また、もし仮に原因がはっきり分かっていたとしても、
潜在意識下の、原因である「傷」の痛みやトラウマのエネルギーにしっかりアクセスできていなければ(=感じられていなければ)、
癒しや変容には繋がらないのです。
自分と向き合っても、心を見つめても、癒しや変化が起きないのは??
自分の心を見つめることに取り組んで来られて、「これが原因だと分かってはいるんですが・・」とおっしゃる方も多いのですが、
もし変容が起きていなければ、
- 実は、それは真の原因ではない(真の原因は他にある)
- 原因は合っていても、その傷やトラウマのエネルギーにアクセスできていない
大きくは、そういった要因があり得ます。
更に言えば、
- 傷の痛みやトラウマのエネルギーにはアクセスしていても、「安心・安全の感覚の土台」が無いために、変容に繋がっていない
そういった可能性もあります。
(なお、これ以外にも色々な要因があり得ますし、複雑になるのでここでは省略します。実際には、その方の心や意識の中でどういうことが起きているのかを具体的に見て行くことが必要です。)
しっかりと「真の原因」を見て、
その原因の「傷」の痛みやトラウマのエネルギーにアクセスして癒して行くことは
本質的な癒しにおいて非常に大切なことです。
個人セッションで行っていること
個人セッションでは、
心の深層を解剖する「気付きの問いかけ」という特殊な質問を使ったり、
潜在意識(無意識の領域)の入口である「身体の感覚」に寄り添っていくことなどで
真の原因に辿り着き、
更に心理セラピーを使って、その傷やトラウマを癒して行きます。
「真の原因」「本当の答え」は、その人の中にしか無い。
私がこの方法の素晴らしいと思うことは色々あるのですが、その中でも大きなものが
●その人の中から答えが出て来ること
●その人の中にある答え(真実)に出会えること
です。
私がクライアントさんのお話を伺って、分析をしたり「これが原因ですね」と言ったりすることはありません。
何故なら、「私には分からないから」です。
人の心というのは、本当に複雑です。
同じような悩み、苦しみだったとしても、心の中で起きてることは全然違ったりします。
「真の原因」「本当の答え」「その人の真実」は、その人の中にしか無いし、
実際にその人の心の中を見て行くことでしか分からないのです。
例えば、誰かすごい先生やヒーラーといった人に「あなたの苦しみの原因は●●です」と言われて、
たとえそれが当たっていたとしても、
もしあなたの中で本当に腑に落ちなければ・・・「そうかもしれない」と思うレベルであれば、
それは本当の癒しや変容には繋がらないでしょう。
けれども、心理セラピーなどであなたの内側深くを見て行って、そこで出会ったものは、
疑いなく、あなた自身にとっての答え、真実です。
あなた自身がそれに出会った時に、自然に、癒しや変容は起こり始めます。
セッションでは、その方の中の「真の原因」「本当の答え」「その人の真実」、
それを引き出すお手伝いをしています。
私は夫にも何度かセッションをしているのですが(夫は普通のサラリーマンで、心のことについて知識も無いし、それほど興味もありません。)毎回びっくりして、こんなことを言います。
「自分では大したことが無いとか、終わったと思っていたことが、実はこんなにはっきり自分の中に残っているなんて…
そして、それが原因でこんな反応が起きているなんて。
こんなこと、頭で考えても絶対に分からないよなあ。」
そして「自分の中からそれが出て来ること、自分で気付けることがすごく面白い!」と。
まるっきり宣伝か作り話みたいですが、誓って実話です。笑
私は基本的に飽きっぽい人間なのですがもう10年近くこうして癒しに取り組んで来ているのは、
癒しの過程の中では、苦しいこともありますが、
でも、「なるほど!自分の心はこうなっていたのか」というのを自らが理解できることが、すごく面白いし興味を惹かれるからです。
そして、抑圧した傷の痛みやトラウマに触れることができること、それを自分が迎えに行ってあげられることが、
私の喜びや愛に繋がっているからです
![](https://tokuyamanaoko.com/wp-content/uploads/2021/03/8e30fb1535e71794437d02d8381cb8ae_t-300x200.jpeg)
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【柱その2】自分の内側に、安心・安全や労りの感覚を育んでいくこと
【柱その2】は、自分がこれまで、実はほとんど感じることのできなかった安心・安全や労りの感覚を感じて、内側にその感覚を育んでいくことです。
これは、以下のように言うこともできます。(同じことです。)
- 身体・自律神経にアプローチして、自分の内側の「安心・安全の感覚の土台」を培うこと
- 子どもの頃に感覚的に(=身体や神経が)感じられなかった、温かさや労り…「ひとりじゃない」という感覚や「分かってもらえた」という感覚を感じて行くこと
「感情の解放」「トラウマの解放」だけでは楽にならない??
私は以前、【柱その1】…つまり潜在意識(無意識の領域)にある抑圧した思いや感情を癒すことをして行けば、楽になれるのだと思っていました。
世の中にも「感情の解放」とか「感じ切れば感情は消える」とか、そういうワークが沢山ありますよね。
また、トラウマのエネルギーは、しっかりそのエネルギーにアクセスして感じることで完了させることができるというのは、確かにその通りです。
けれども私は、自分なりに一生懸命取り組んでも、幼い頃からの苦しみはなかなか変わらない、楽にならない…
そういう数年を経験しました。
(もちろんそれでもずいぶん楽にはなりました。)
「もっと何をすれば楽になるんだろう」
「何が私に足りないんだろう?」
「何が分かっていないのだろう?」
そんな気持ちで色々なことを学んで、そして自分を使って人体実験をしてきた(笑)結果、
今の私が思うのは、
特に愛着の傷のようなものは、
そもそも「安心・安全」や「温かさ」「労り」…
そういう「感覚」をほとんど体験していない。知らない。
(もしくは感じられなくなっている。)
これを少しばかり専門的に言えば、
そういうものを司る(感じる)「自律神経系」が不調整だったり未熟な状態ということ。
そして非常に大切なポイントは、、、
潜在意識の思いや感情のエネルギーを解放したからと言って、
その自律神経系が急に整ったり育ったりするわけでは無いのです。
(自律神経系にも変化は起きますが、一気に愛着の傷が完全に癒されるほどの変化は、起こる可能性はゼロではありませんが多くは無いでしょう。)
「内側に、安心などの感覚がそもそもほとんど無い」んだから、
「育てて行かなきゃいけない」んです。
(もしくは「感じられない状態」だから「感じられるように働きかけて行ってあげる」)
考えてみれば当たり前のことなんですが。涙
でも、私がずっと気付いていなかったこと、見落としていたこと、
つまり私に必要だったのは、
日々の生活の中でコツコツと身体や自立神経系にアプローチして、自律神経の状態を整えること。
「安心・安全」や「温かさ」「労り」の感覚を自分の内側に育んでいくこと。
そういった感覚をしっかり身体で感じて、身体に経験させていくこと。
それだったのでした。
すべての人に、そして特に愛着の傷を抱えた人にお勧めしたい自律神経へのアプローチ
身体・自律神経系にアプローチして、自分の内側に「安心・安全」の感覚を育むことは、
ストレスや悩み、苦しみを感じている人だけでなく、
すべての人にとって大切で、お勧めしたいことですが、
特に愛着の傷を抱えている方にとっては「必須」ではないかと私は思うのです。
元々の健康度が高い人であれば、(=「安心・安全の感覚の土台」がある人であれば)
抑圧した感情やトラウマのエネルギーを解放することで、かなり楽になる可能性が高いと言えます。
けれども、そもそも「安心・安全の感覚の土台」がほとんど無い人の場合は、
抑圧した感情やトラウマのエネルギーの解放だけではなく、
その「土台」を育んでいくことも必要だと、
私自身の体験からそう感じています。
私は「100%の人に効果や変化を保証できる方法は無い」と思っています。
それくらい、有機体としての私たちは、ひとりひとりがとても複雑な存在です。
けれども私と同じように、
心を見つめて癒して来て、感情も解放してきて、だいぶ楽になったけれど、
でも子どもの頃からの根本的な苦しみ、例えば
孤独感という言葉では表せないくらいの、完全に切り離されてひとりぼっちな感じ。
自分は誰からもどうでもいい人間のような感覚。
自分にはまったく価値が無いような感じ など・・・
それはほとんど変わらないと感じている・・・
そういう方には、この【柱その2】は、大きな役割を果たしてくれるのではないかと思うのです。
そして、どんな方にも、健康な方にとっても、
自律神経の不調性が整って損をすることはありません。
(様々な不定愁訴と言われる症状も自律神経の不調性が原因だったりすることもあります。)
ぜひ多くの方に、この「自律神経へのアプローチ」の大切さを知っていただきたいと願っています。
【柱その1】【柱その2】は、どちらも必要で大切。
そして、それらはお互いに良い循環を生み出す。
【柱その1】と【柱その2】は、「どちらか」ではなく、「どちらも」必要で大切だと私は思っています。
そして【柱その1】と【柱その2】は、お互いに良い循環を生み出します。
【柱その1】に取り組んで、深いレベルの癒しが起これば、そこで安心・安全といった感覚が感じられるし、
脳や神経系の回路にも変化が起きます。
そのことによって、【柱その2】の「安心・安全の感覚の土台」作りも、やりやすくなります。
身体は、一度深く体験した感覚を覚えてくれます。
心理セラピーで深い安心・安全の感覚、
ひとりでは無い感覚、存在を認めてもらっている感覚や守られている感覚・・・そういったもの感じたら、
その感覚を日常の中で身体に経験させてあげることで、身体に深くその感覚が根付いて行きます。
そして更に、【柱その2】の「安心・安全の感覚の土台」ができてくると、
【柱その1】の癒し、特に心理セラピーにおいても良い作用があるのです。
![](https://tokuyamanaoko.com/wp-content/uploads/2021/03/bokeh-2072271_1920-300x200.jpg)
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また「良い循環」について、上のブログ記事に書いたようなことだけではなく、こんなこともあります。
頭では「苦しい、変わりたい」と思っていても、
私たちは意識の奥の方で、自分で苦しみを握り締めていることがあります。
ネガティブ・ナルシズムはその状態と言えますし、
ネガティブ・ナルシズムに限らずそういうことは起きていたりします。
握り締めている要因は様々ですが、
「その苦しみ以外の感覚を知らない」とか、
「それを手放したら空っぽになってしまう感じがして怖い。それよりは、苦しみであっても何かを握り締めている方がマシだ。」とか、
そういう理由があったりします。
その時に、自分の内側に「安心・安全の感覚の土台」があると、
その安心感の中で、その握り締めていたものから少しずつ手を離すことができたりします。
自分の内側に「安心・安全の感覚の土台」ができてくると、
それだけで身体や心が少し落ち着いたり、安心を感じられたりしますが、
こんな風に、心理セラピーなど【柱その1】の癒しにおいても、色々な良い作用があるのです。
こんな風に、【柱その1】と【柱その2】の良い循環は、癒しを優しく進めてくれると思っています。
私が心理セラピーの中で大切にしていること。
当方のセッションで行う心理セラピーでは、
「感情解放」や「トラウマエネルギーの解放」と同じく、科学的な自律神経の仕組みに基づいて、
傷を抱えたまま切り離された自分の中の小さな自分が、感じることのできなかった感覚…
「安心」や「温かさ」「分かってもらえた感じ」など、
そういう感覚を感じられること。
それを大切にしています。
傷を抱えた人が本当に求めているのはそういうものだと、私の体験から感じているからです。
もちろんトラウマを完了させるために「エネルギーの解放」を行うこともあります。その時々で適したアプローチをしています。
▼なお、こういった経験から生まれたのが「ソマティック・コンパッション・セラピー」です。
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トラウマ・心の癒しにおいて大切なポイントを【図解】にまとめました。
こちらも併せてご覧いただくとイメージが湧きやすいと思います^^
![](https://tokuyamanaoko.com/wp-content/uploads/2021/08/ee3be1d100caf1aa771552d59c2bd436-260x146.png)
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【柱その3】普遍的な心の仕組み・・・「投影」と「自我(エゴ)」について体験的に理解すること。そして「真の自己」に気付いて行くこと。
【柱その1】【柱その2】の循環の中で、
時間はかかりますが(←これを理解していただくのは大切です。)
本質的な癒しを体験して行くことができると思います。
けれども、
ずいぶん楽にはなっても、何かがまだ足りない感じがしたり、
自分が本当に求めているものは、この世界には無いかもしれないと感じたり・・・
そんな方もいらっしゃるでしょう。
もしくは、
人間の根源的な苦しみについて知りたい、関心がある。
そんな方々には、この【柱その3】がとても重要ではないかと思います。
これは「悟り」とか「目覚め」、「非二元」と言われる領域の話です。
この観点を持っていることが、溝口あゆかさん提唱の「OADセッション」の特徴であり、
一般的なカウンセリングや心理セラピーとの大きな違いと言えると思います。
長くなりましたので、ここからは次の記事に続きます。
▼続きはこちらをどうぞ
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