「ネガティブ・ナルシズム」から楽になるために大切なことやヒントについて書いています。
こちらは以下の記事の続きです。
「ネガティブ・ナルシズム」(通称「ネガナル」)とは:
溝口あゆかさん提唱の「インテグレイテッド心理学」の中で定義されている心理状態。
ネガティブな思いにすっかり同化し、それがアイデンティティとなってしまっており、絶え間なく自分否定、自分批判をしている状態。
そのために、カウンセリングやセラピー、スピリチュル、自己啓発など、「何をやっても楽にならない」と感じている方が多い。
「スキマ(隙間)」を作っていくこと。【同化】の状態を緩めて行くこと。
またまた復習になりますが、ネガナル状態とは、簡単に言うと、
「ネガティブな思い(自己像・セルフイメージ)」と「自分自身」とが、完全に一体化している状態
(「ネガティブな思い」=「自分自身」となってしまっている状態)
つまり「ネガティブな思いやセルフイメージに、深く、完全に【同化】している状態」であり、
それが苦しみの原因であるとお伝えしました。
ネガナル状態の人が、苦しみから抜け出すための鍵のひとつが、
深く、完全にネガティブに【同化】している状態から、
「スキマ(隙間)」を作っていくこと。
【同化】の状態を緩めて行くこと。
言い換えれば、
ネガティブな思いに、深く、完全に【同化】しているために、
”自分自身についての客観性がゼロになっている状態”から抜け出して、
自分自身への客観的な視点を持つこと。
です。
今回は、この鍵について詳しくお伝えして行きますね。
ネガナル状態の方が「まったく見えなくなっているもの」とは・・・
まずは、ネガナル状態の方にとって、
ネガナル状態とはどういうことなのかを理解すること、
そして「自分はこういう状態で苦しいのだ」と理解することは、
この「スキマ」を作ることに繋がります。
自分を客観的に見る視点を手に入れる助けになります。
ネガナル状態の方は、
全力で、
100%どころではなく、1,000%くらいのパワーで、
ネガティブな思い(自己像・セルフイメージ))を
「これが私だ!!!!!」と信じ切っています。
その深い、完全な【同化】の状態から、
まずは、1%でも2%でも、「スキマ」を作っていくことが、
楽になって行くうえで、ひとつの大切な鍵になります。
「スキマ」ができて行く、というのは、例えて言うと、
目の真ん前にあって、近すぎて、まったく見えなくなっているものから、
少しずつ離れて、その姿が見えるようになって行く、という感じ。
そして、ネガナル状態の方にとって、
その「まったく見えなくなっているもの」というのが、
「ありのままの自分自身」です。
私たちには誰でも、ポジティブな部分もあれば、ネガティブと言われる部分もあります。
他者に優しい気持ちを持つこともあれば、意地悪な気持ちになることもある。
「どんな時も、どんな場面でも、常に100%良いところ(ポジティブ)だけの人」も居なければ、
「どんな時も、どんな場面でも、常に100%ネガティブだけの人」の人も居ません。
けれども、自分自身に対して「私は100%こういう人間だ!」と信じ込んでいるのが、
つまり「ありのままの自分自身」が見えなくなっているのがネガナル状態の方です。
人間に共通する「こころの仕組み」(自我・エゴ)について知ること。
こうしたことから、「ネガティブ・ナルシズム」状態から脱していくために、
完全な【同化】状態から「スキマ」を作り、客観的な視点を持っていくことは、非常に大切なのです。
そして、その最初の「スキマ」を作るのに非常に役立つのが(というか、個人的には必須だと思っています)
自分はこういう状態なのだと理解すること。
そして、人間に共通する「こころの仕組み」(自我・エゴ)について知ること。
です。
人間に共通する「こころの仕組み」(自我・エゴ)については、こちらのブログにも書いて行きたいと思っていますが、
「インテグレイテッド心理学講座」で学んでいただくこともお勧めですし、
個人セッションでは、実際にその方の心の状態を見て行くので、この「こころの仕組み」を体験的に理解していただくことができます。
またクライアントさんの状態により、こころの仕組みについて知っていただくことがお役に立つと判断した場合は、その方に合わせて説明をさせていただきます。
私自身は「インテグレイテッド心理学講座」で、「ネガティブ・ナルシズム」について、また「こころの仕組み」について知ったことで、それだけでも、かなり楽になりました。
特に、ネガナルについて初めて知った時には、
ああ、これだ!!私が苦しいのは、こういう状態だったからなんだ!!
と、大袈裟ではなく衝撃を受けました。
それまで、「どうして私はこうなんだろう・・・」そんな風に思い続けてきたし、
どうすれば楽になれるのかも、さっぱり分からずに途方に暮れていた。
その状態に、一筋の光が差し込んだように感じました。
また、子どもの頃からずっと、「こんなことで苦しんで、私はどこかおかしいのかもしれない。こんな人間はきっと私だけだろう…」そんな風に思っていたのですが、
私だけじゃないんだ!
同じように苦しんでいる人が他にもいるんだ!!
それが分かって、救われた気持ちになりました。
そんな自分の体験から、かつての私と同じように苦しんでいる方に、「ネガティブ・ナルシズム」について知っていただきたいという思いでお伝えしています。
どうやって「スキマ」「客観的な視点」を作っていくのか?
さて。
「スキマ」を作っていくことについて。
ネガナル状態から抜け出し、楽になって行くための鍵について。
ここからは、具体的ないくつかの方法をご紹介して行きます。
これは「悟り」や「非二元」に通じる話でもあります。
実際に、どうやって「スキマ」「客観的な視点」を作っていくのか?
ということですが。
自分が深く【同化】している思い(自己像・セルフイメージ)は、
単なる思い込みであり、「事実」ではない。
まずは、これを理解することが大きな鍵となります。
私たちには、深く【同化】している思い(自己像・セルフイメージ)が、ひとつではなく、いくつもあります。
それらすべてが、実は「思い込み」であり、「事実」ではありません。
私の例を挙げてみますね。
私が深く【同化】している自己像のひとつは、「私は自分のことしか考えない、身勝手で狡い人間だ」というものですが、
私の感覚では、それは100%「事実」にしか思えません。
思い込みだなんてとんでもない!
私は実際に間違いなくそういう人間です!!
という感じ( ;∀;)
でも、どれだけ「絶対的な事実」「真実」と思えるとしても、
あなたの中の思いやセルフイメージは、どれも単なる思い込みであり、「事実」ではない。
それをまずは理解していただくことです。
「私はこういう人間だ!」と信じている思いやセルフイメージは「事実」ではない。
ここで、ちょっとご自分について考えてみてくださいね。
あなたが「私はこういう人間だ!」と信じている思いやセルフイメージは、どんなものがあるでしょうか。
例えば…
- 私は誰からも愛されない
- 私は何の能力も無い
- 私は優しさの無い、心の汚い人間だ
- 私は幸せになれない
- 私は何をやっても上手く行かない
- 私は誰からも理解されない人間だ
- 私は異質だ
などなど・・・
人によって様々な思いやセルフイメージを抱えていますよね。
そして、それは、どれくらいあなたにとって「絶対の事実」「真実」という感じでしょうか?
思い込みなんかじゃない!
それは事実だ!!
そう言いたくなるかもしれませんね
例えば、「私はバカだ」という自己像に深く【同化】している人の場合、その人は、こんな風に思うかもしれません。
私がバカだというのは、思い込みなんかじゃない!
学生時代の成績は常に悪かったし、親にも「お前はバカだ」といわれていた。
理解力が無いから、仕事を覚えるのも遅いし、ミスもしてしまって注意される。
みんなきっと、私のことをバカだと思っているに違いない。
それなのに、「それは単なる思い込み」って、そんなわけないだろ!!
どう考えたって「事実」だ!!
そう思う気持ち、よーーーーーく分かります。
でも、どんなに沢山の「証拠」があったとしても、
「私はバカだ」は、
やっぱり、単なる思い込みであり、「事実」ではないんです。
「バカ」の定義って、何でしょう?
勉強ができないこと?
理解力が無いこと?
人の気持ちに鈍感なこと?
常識が無いこと?
恐らく、人によってその定義は様々でしょう。
そして、仮に「勉強ができないこと」が「バカ」だとしても、
いったい、どのラインからが「バカ」なのでしょうか。
そのラインも、人によって違うはずです。
100人の人が居たとして、
80人は、その人のことを「バカだ」と思うかもしれない。
でも20人は、そうは思わないかもしれない。
初対面で、一切何の会話もしていない段階で、相手はその人を「バカだ」と思うでしょうか?
24時間、365日、どんな時も、どんな場面でも「バカだ」というのは、あり得ないんです。
それがあり得ないということは、
それは「事実」ではないということです。
その人が、自分のことを「私はバカだ」と「思い込んでいる」だけなのです。
屁理屈のように聞こえるかもしれませんね
でも、納得できなくてもいいです。
「そうは思えないけど、でも、思い込みなのか…」と、
まずは、知識として理解していただくだけでOKです。
どんなに真実味があろうと、「事実」と感じられようと、
「単なる思い込み」である。
それをまず、受け容れてみてください。
それによって、
全力で、100%どころではなく、1,000%くらいのパワーで、
「これが私だ!!!!!」と、信じ切っている・・・
その状態に、少し「スキマ」が生まれます。
「それは思い込みだ」と、無理やりそう思うことではない。
「思い込みである」ということを理解する、というのは、
「私はバカだ」というのは「思い込み」で、本当は私はバカじゃないんだ!
そう考えてくださいね、ということではありませんし、
実は単なる「思い込み」なのだから、苦しむ必要は無いんですよ。
と、そういう意味で楽になるためではありません。
もちろん、「本当は思い込みなんだ」と思って楽になるのでしたら、それでOKです
けれども、
「それは思い込みなんだ!」と、そう思って、それで楽になれるくらいなら、
恐らく、これほど苦しんで来られなかったのではないかと思います。
どうでしょうか(^^)
また、「思い込みである」ということを理解するというのは、
「私はバカだというのは思い込みなのだ」と、無理矢理にそう思おうとすることとも違います。
無理矢理にそう思うことは、
「ごまかし」であって、根本的な解決には繋がりません。
「私はバカだ」というのが、実は「思い込み」なのだと、
とりあえず、まずは知識で理解するだけで充分です。
先ほどお伝えしたように、
「思い込みだなんて思えないけど…。」そう思っていてOKです
まず「思い込み」だということを、知識で理解するだけでも、
完全に【同化】している「私はバカだ」という思い(自己像・セルフイメージ)に対して、
少し「スキマ」ができるのです。
ネガナル状態の人にとって、「スキマ」を作っていくことの大切さは、お伝えしたように、
【同化】している・・・
つまり、目の真ん前にあって、近すぎて、まったく見えなくなっている「ありのままの自分自身」から、
少しずつ離れて行くことで(=「スキマ」を作って行くことで)、
「ありのままの自分自身」が見えるようになって行く、ということ。
ですから、ネガナル状態から脱していくためには、
「スキマ」を作っていくことが、本当に大切なのです。
思い込みだなんて、全くそんな風には思えないけれど、これは思い込みなのか…。
とりあえず最初は、そんな風に、「単なる思い込みなのだ」ということを、頭の理解・知識レベルでOKなので、受け容れてみていただきたいと思うのです
一歩進んで、「自分の思い込みである」ということを実際に体験的に理解して行きたい方は、個人セッションを受けていただくことをお勧めいたします。
また、ご自身で取り組める方法としては、バイロン・ケイティの「The Work」もお勧めです。
次は、その「スキマ」を更に作っていくための、お勧めの方法をお伝えしますね。
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