「心と向き合ってきたけどあまり楽にならない…」という人にこそ知って欲しい、「安心・安全の感覚の土台作り」の話

今日のタイトルは、「心と向き合ってきたけどあまり楽にならない…」という人にこそ知って欲しい、「安心・安全の感覚の土台作り」の話です。

自分の内側の辛い記憶や感情と向き合って来た。

苦しみの原因を探して来た。

インナーチャイルドの癒しにも取り組んで来た

・・・でも、あまり楽になった感じがしない。
変わった実感が無い。

もしかしたら、こういう方は意外と多いのかもしれません。

ぜひそういう方に読んでいただけたら嬉しいです。

目次

癒しやスピリチュアル、自己啓発に取り組んできたが、楽にならない…

私も、そのように感じていた部分があります。

私は癒しの道に足を踏み入れてから、自分の心の深いところ…潜在意識と言われる領域にある、無意識に抑圧してしまった多くの痛みや苦しみ、不安、恐れ、惨めさ、怒り、絶望、悲しみ、孤独感・・・
そういったものと向き合って来ました。

癒しに取り組む前とは段違いに楽になったものの、
けれども一方で、ガンとして変わらない部分もあり、

一体どうしたら良いのか、
私に足りないもの、見えていないものは何なのかと、学びや癒しについての探求を続けて来ました。

癒しにおいて重要な「安心・安全の感覚の土台」

その中で、私自身の体験から癒しにおいて非常に重要なものだと感じていること・・・

それが「自分の内側に、安心・安全の感覚の土台を育むこと」です。

「こころ」を介さずに・・・
というか、ちょっといったん脇に置いて

ダイレクトに、身体に「安心・安全」の感覚を教えて行ってあげること。
自分の内側に、安心・安全の感覚を育んで行くこと。

これが今回のお話の「土台作り」です。

そして、この「土台」を育んで行くうえで効果的で大切なのが自律神経系へのアプローチです。

なぜ「安心・安全の感覚の土台」作りが大切なのか?

なぜ、ダイレクトに身体に安心を教えて行ってあげること。
自分の内に、安心や安全の感覚を培って行くことが大切なのか??

ということですが。

まず、

トラウマというのは、実は、心だけでなく、身体・自律神経の状態に負うところが非常に大きいのです。

著名なアメリカのトラウマ療法の創始者は、「トラウマは、100%生理学的な問題」だと語っています。

従って、トラウマから解放され自由になって行くには、身体や自律神経の状態に働きかけることが絶対に必要です。

認知のレベルで解決できるものではない・・・
つまり、考え方や捉え方を変えるだけでは難しいということです

そして同時に、

身体や自律神経の状態へのアプローチだけでなく、
やはり心の深層を見て行くことも大切です。

傷付いた感情や痛み、葛藤や怒り、恐れや不安。
誰にも分かってもらえなかった絶望や孤独感、憤り・・・

そういった、自分の内側で起きていることをちゃんと理解して、
そしてその怒りや痛みを優しく受け止めてあげること。

それも本当に大切で必要なことなのです。

この、

  • 身体・自律神経系へのアプローチ
  • 心の深層を見て行くこと

この2つは、癒しにおける「両輪」のようなものと言えます。

そして、身体・自律神経系にアプローチしてトラウマを癒して行くうえでも、
「心の深層を見て行く」ということにおいても、

まず、自分の内側に「安心・安全の感覚」を培って行くこと。
それが大切な「土台」としての役割を果たしてくれる

私はそう思っています。

温かさや優しさ、労りや共感…それこそが、傷付いた私たちが求めているもの。

以前「感情は感じ切れば消えるのか?」について書きましたが

▼記事はこちら「感情は感じ切ると消える」のか??① ~なぜ私が心理セラピーをお勧めするのか~「感情は感じ切ると消える」のか??② ~なぜ私が心理セラピーをお勧めするのか~

この記事であまりちゃんとお伝えできていなかった大事なポイントがあります。

癒しのひとつの手法として、

抑圧していた感情などについて、しっかり自分の身体でその体感やエネルギーを感じて行く

というものがあります。

これが「感情を感じ切る」と言われたりするわけですが、

でも、それだけではなかなか変わらない・癒されないものもある・・・
私の経験からはそう感じています。

ただ体感として感じるだけでは、単なるエネルギーとして解放しようとするだけでは、変わらない事も多い‥と。

じゃあ何が必要なのか?ということに関して、今の私が感じていることは。

癒しの基本は、”「癒し手」である今の自分が、自分の中にある傷付いた自分を迎えに行ってあげる”ということです。

この時に、

自分の痛みや感情を、単に体感やエネルギーとして解放しようとするのではなく、
「癒し手」の自分が、自分の痛みを理解して、それを温かく包んであげること

その痛みを抱えた、傷ついた自分が、

分かってもらえた。」
ひとりじゃない。

そういう温かさや優しさ、労りや共感を感じられること

その時に、その痛みは柔らかく緩んで行きます。

温かさ、優しさ、労り、共感、理解、繋がり・・・
それこそが、私たちの中の傷ついた部分が求めているもの

私はそう思います。

▼こうした経験から生まれたのが、ソマティック・コンパッション・セラピーです。

そのために大切なのが「本体の自分の内側の安心・安全の感覚」

自分の痛みや傷ついた部分を温かく包んであげる、
そのために非常に大切なのが、

迎えに行く側…つまり「本体の自分」が、

大丈夫で、安心していて、 
自分の痛みを受容してあげられる「土台」があることなのです。

ちょっと想像してみてください。

自分自身が苦しみでいっぱいで余裕が無い状態の時に、他者に優しくしたり労わったりできるでしょうか?

・・・非常に難しいですよね。

自分の中の痛みに対しても、これとまったく同じなんです。


これは私の経験ですが、
私は自分の心の中の痛みに向き合うことはしてきましたが、

癒し手である自分自身の中に、安心や安全という感覚がほとんど無かったのです。

そういう「土台」が無いままに自分の痛みや傷と向き合うと、いったいどういうことになるかと言うと・・・

返り討ちにあいます( ;∀;)

返り討ちってどういうことかと言うと、

あまりの痛みの大きさに、圧倒されてしまったり、恐ろしく感じたり、
どうにもしてあげられないと感じて腰が引けてしまったり、
「大したこと無い癖に、なんでこんなに苦しいんだ!」と冷たい気持ちになったり、
痛みを許して受容してあげられずに、「もっと頑張れ」と言いたくなったり・・・

これ、とてもしんどいですチーン

「心と向き合ってきたけれどあまり楽にならない・変わらない」という場合、
こういったことが起きているケースが、それなりにあるのではと思います



そういった方の場合、

まずはぜひ、「癒し手」であるご自分自身の中に、
安心や安全の感覚を養って行ってあげて欲しいと思うのです

自分の内に安心や安全の感覚が培われて行くと、

自分の痛みや傷に対して、自然に優しい気持ちが持てるようになって行きます。
苦しみに寄り添ってあげることができて行きます。

そして何より、

この「安心」や「安全」の感覚そのものが、私たちが深く求めているものなのです

私が神経系のことを学び始めて、あるワークで自分の内側に「安心」の感覚を感じた時に、
「こんな感覚を経験したことがない!」と、とてもびっくりしました。
それは私にとって初めての感覚だったのです。

その時に、自分がこの「安心」という感覚をほとんど感じたことが無かったのだと分かりました。

そして同時に、この感覚を、とても求めていたのだということも。

「安心・安全の感覚の土台」が内側に育まれてくると・・・

私たちが無意識に深く抑圧してしまった痛みや傷は、

「ちゃんと受け止められる」「受け止めてもらえる」
無意識の領域で、そういう「大丈夫」という感覚が感じられてこそ、より深いところの痛みが出て来てくれる。

そういうこともあります。

私たちの心・意識は層のようになっています。
そして、私たちには非常に優秀な防衛本能があります。

癒しの最初の段階から、深く抑圧した痛みが出て来てくれるということは、実はそうそうありません。

自分自身の内側に、「安全・安心の感覚の土台」が育まれてくると、
安心や温かさに根差した状態で、内側の、傷ついたまま置き去りになっている小さな自分に会いに行くことができるようになって行きます。

すると「返り討ち」状態にならずに(笑)
自分の内側の傷ついた小さな自分に、自然に優しさや労り、共感を向けることができます。
また、その状態で自分の内側の小さな自分を見てあげた時に初めて見えてくるものがあったりします。

そして、小さな自分が、自分に向けられた温かさや優しさ、労りを感じられた時に、
深く抑圧した本当の痛みが、冷たく固まった氷が溶けるように顕れて来てくれるのです。

特に、深い自己否定を抱えている方や、強い不安や恐れを感じている方には、
「心」よりも、まずは「身体」に働きかけて安心や温かさを感じて行くことをお勧めします。

内側に「安心・安全の感覚」を育むために。

内側に「安心・安全の感覚」が育まれてくると、
それだけでも、心もだいぶ楽になって行きます。

私たちの身体や自律神経の状態と心とは、深く関わっているからです。

ちょっと想像してみていただくと、
自分の内側に「安心・安全の感覚」が感じられれば、それだけでも日常が少し楽になって行くかもというのが感じていただけるのではと思います。

セッションを受けてくださる方にも、この自分の内に安心・安全の感覚を感じるワークをお伝えしてそれに日々取り組んでいただいたりしますが、それだけでも非常に楽になったとおっしゃる方もおられます。

実際に、こんなお声もいただいております。

  • 以前と比べて見違えるほど気持ちが軽くなりました。
  • フラットでいられる時間が多くなってきました!
  • もし大変になっても、安心な感じに戻ってくる間隔が以前より早くなりました

こんな風に、自分の内側に「安心・安全の感覚の土台」…安心感や温かさを感じていく・育んでいくことは癒しにおいても、とても大切で役に立つことなのです。

この「安心・安全の感覚の土台」を育んで行くために、ご自分でできることがたくさんあります。
というか、日々の筋トレのように日常の中で取り組んで行くことがとても大切です。

セッションでは、オーダーメイドのように、「土台作り」のためにその方に適したワークを見つけたりもして行きます。

また、セラピーの中で、ご本人の「本質」とも言えるエネルギーに触れる場合もあるのですが、
そのエネルギーはその方にとって、もっとも適した「土台作り」のためのリソース(資源)となります。
お仕着せではない、その方の中から出て来たものは、一番その人らしい、馴染みのある、そして最適なリソースだというのはお分かりいただけると思います。

オーダーメイドまで行かなくても、ご自分でできる「土台作り」として、
YouTubeにアップしたワークや、自律神経を整えることについて書いた以下の記事を参考にしていただけたらと思います。

「自分には土台作りが必要かも」と思われる方は、ぜひ取り組んでみてくださいね!

安心や安全を感じてリラックス…自律神経を整える

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