「イライラしやすい、せっかちな自分を変えたいのに、なかなか変われない…」
その「変われない理由」と「変化のために本当に必要なこと」をお伝えします。
こちらは、ひとつ前の記事の続きです。
前の記事では、今回の記事の前提となる大切な内容「自律神経系の防衛パターン」について詳しく解説しています。

前回の記事では、
イライラしやすさや、せっかちな傾向が「性格の問題」ではなく、
「自律神経系の防衛パターン」と深く関係している可能性についてお伝えしました。
この記事では、その前提を踏まえて、
- 「イライラ・せっかちを直そう」と頑張って苦しくなってしまう理由
- 「変わりたいのに変われない」という状態が、なぜ起きてしまうのか
- 自律神経系の防衛パターンを変えていくために、実際にできること
こうした内容についてお伝えしていきます。
私自身も、自分のイライラしやすいところを「ダメなもの」だと思って、ずっと直したい・直すべきだと思ってきたし、せっかちで、常に何かに追われている感覚に疲れて、「もっと余裕のある人間になりたい」と思ってきました。
でも、変えようと努力しても、ぜんっぜん変わらない😂
そういう状態で、自己否定感は増すばかりでした。
同じような体験をされている方もいらっしゃるかもしれません。
イライラ・せっかちを直そうとして頑張っても、思うように行かずに苦しい…
ぜひそういう方に読んでいただけたらと思います。
イライラを抑えようとして、余計に辛くなる理由
こうしたタイプの人がやりがちなのが、
・「イライラしないように」と必死に頑張る
・「もっと心を広く持たなきゃ」と自分を律する
そんな風に、なんとか頑張って「抑えよう」とすることです。
(私もずっとやっていました😂)
けれども、前回の記事でお伝えしたように、
イライラしやすさやせっかちな傾向は、
「性格」ではなく、「自律神経系の防衛パターン」と関係している可能性があります。
この「自律神経系の防衛パターン」が背景にある場合、
なんとか頑張って「抑えよう」とするのは、
例えるなら、時速100kmで走っている車を、力づくで止めようとするようなもの。
そうすれば当然、大きな摩擦が起きますよね。
それと同じで、無理やりイライラを抑えようとすれば、苦しかったり「無理だ!」となっても当然です。
つまり、イライラを抑えられないのは、「意志の弱さなどとは別の問題かもしれない」ということです。
なぜ、変えようと努力してもなかなか変わらないのか。
こうした「自律神経系の防衛パターン」は、
「変えようと努力する」とか「心がける」だけでは、変化に繋がらない場合がほとんどです。
なぜなら、
長い時間をかけて作られ、固定化した神経系のパターンは、意識だけでは変化しないからです。
これは、意識だけで「筋肉を鍛えよう」と頑張っても身体が変わらないのと同じです。
実際に身体を動かして筋トレをしなければ、筋肉ムキムキにはなれませんよね😅
これが、あなたの「変えようと努力しても、なかなか変わらない理由」かもしれません。
この場合、変化のために必要なのは、
自律神経系のパターンそのものに働きかけていくことです。
神経系の「防衛モード」を変えていくために。
では実際に、こうした「防衛モード」のパターンを変えていくために大切なことは何なのでしょうか。
そのヒントは、「なぜ防衛モードが作動し続けているのか」という理由の中にあります。
危険や脅威が無ければ、防衛する必要はありませんよね。
「防衛モード」とは、
心身が「何らかの危険がある」と判断している状態です。
「防衛モード」を変えていくために必要なこととは?
ここで大切なのは、
ほとんどの場合、私たちは「自分が危険を感じている状態であることに気づけていない」ということです。
多くのケースで、この「防衛モード」は、過去、何らかの危険や脅威に直面して起動したものです。
本来、その危機が去れば、防衛モードのスイッチはオフになるはずですが、
あまりに強い衝撃や長期的な負荷があった場合など、スイッチが「ON」のままになってしまうことがあります。
ずっとスイッチが「ON」になっていると、それがその人にとっての「通常モード(当たり前)」になってしまうために、「実は危険を感じていること」に気づきにくくなってしまいます。
その結果、たとえ頭(顕在意識)では「今、特に危険は無い」と感じていたとしても、
神経系(無意識)のレベルでは「まだ危険は去っていない」と判断し続けているということが起こります。
神経系が「危険だ」と判断している限り、「防衛モード」は変わりません。
「防衛モード」を変えていくには、
この「”危険だ”と判断している神経系の状態」に働きかけていくことが必要になります。
なお、頭では「今、特に危険はない」と感じているケースだけでなく、人間関係や環境に強いストレスや脅威を感じているなど、頭(顕在意識)のレベルでも「危険がある」「怖い」と感じていることもあります。
こうした場合も、その状態そのものが神経系に働きかけていく上での重要な手がかりになります。
「防衛モード」をゆるめていくために大切なこと。
このように、防衛モードが「パターン」になっている状態とは、
神経系が今も危険を感じていたり、警戒し続けていたりする状態です。
これは、神経系にとっては、
「安全がじゅうぶんに感じられていない状態」だと言えます。
だからこそ、この「防衛モード」をゆるめていくために大切なのは、
頭で無理やり「変えよう」と頑張ることではなく、
神経系に少しずつ「安全」をもたらしていくことです。
ここで知っておきたいのは、
安全は、「頭で理解するもの」ではなく、
「身体で感じるもの」だということ。
いくら頭で「今は安全だ」と言い聞かせても、
神経系は「言葉」だけでは変わりません。
頭は「理屈」で納得しますが、神経系は、身体感覚という「体験」を通して納得します。
身体感覚を通して安全を感じるときに、
はじめて神経系は「安全を体験する」ことができます。
頭での納得と、身体レベルの納得は、まったく別物なのです。
神経系に「安全」をもたらしていくためにできること。
では、神経系に「安全」をもたらしていくために、実際にできることは何でしょうか。
それは、
日常の中で、🟢緑の「安全モード」に繋がる感覚、
つまり、「心地よさ」や「安心」を感じる時間を意識的に持ってみることです。
なぜそれが役立つのかと言うと、
「心地よさ」や「安心感」といった感覚は、
身体(神経系)にとっては、「安全のサイン」だからです。
その感覚を繰り返し体験することで、
身体(神経系)は少しずつ、「今は安全なのだ」と気づき、その状態を学習していってくれます。
これは、自分の中にあまり存在していなかった🟢緑の「安全モード」を、少しずつインストールしていくような感じです。
これまで防衛モードに偏っていた状態に、🟢緑の「安全モード」という新しい回路ができていく。
その積み重ねが、変化へと繋がっていきます。
ここまでの概要を図にまとめました

パターンを変えるには時間が必要。けれども…
神経系のパターンが変わるには、時間がかかります。
これは、外国語を学び始めて急にペラペラにならないのと同じです😅
「外国語を習得する」というのも、反復によって脳の神経回路が太く育ち、物理的なネットワークが構築されることで可能になります。
神経系のパターンの変化も、これと同じです。
「時間がかかる」というのは残念なお知らせに聞こえるかもしれませんが、
適切に取り組めば、
神経系のパターンは、ちゃんと変わっていきます。
神経系には「神経可塑性(しんけいかそせい)」という性質があるからです。
神経可塑性とは
学習や経験を重ねることで、神経系の構造や機能が柔軟に変化し、新しい選択肢や機能を獲得する力のこと。
分かりやすく言えば、「使われない回路は細くなっていき、繰り返し使われる回路は太くなっていく」という性質です。
この変化は、生涯を通じて起こるとされています。
この「神経可塑性」によって育まれた新しい回路(パターン)は、簡単には失われません。
私たちが、何十年も使ってきた母国語を、ある日突然忘れないのと同じです。
「自律神経のパターンに働きかける」というのは、
一時的な対症療法ではなく、根本からの変化に繋がる癒しなのです。
癒しのプロセスの中で育まれる「身体と繋がった理解」
神経系の変化には、確かに時間がかかります。
けれども、その変化は、
「ゴールに着いたときに突然起きる」ものではありません。
取り組む中で、少しずつ、身体レベルで実感できる変化が生まれていきます。
私自身も、この自律神経系のパターンに働きかけることに取り組んできて、色々な変化を体験しています。
- 些細なことでイライラしてしまう。
- いつもどこか追い立てられているような感じ。
- のんびり、ゆっくりが耐えられない。
- 早く癒されたい、結果が欲しいと焦る。
こうした感覚は、ずいぶんと変化してきました。
また、イライラしたり焦ったりしている自分に気づいたときも、
それが自律神経系の状態から来ているものだと理解しているので、
「今はそういう状態なんだなあ」と、自分を責めるよりも、労わりの目で見てあげられるようになりました。
ちなみに、この「理解」は、単なる知識としての理解ではありません。
自らの体験から生まれる、「身体と繋がった理解」であり、
これは、癒しに取り組むプロセスの中で育まれていくものです。
そしてまた、この自分への深い理解は、
自分に安心(🟢緑モード)をもたらしてあげることでもあります。
セッションでは、知識にとどまらない「身体と繋がった理解」を、実感として育んでいくことを大切にしています。

セッションで行うこと
セッションでは、まずは🟢緑の「安全モード」をインストールすることを行っていきます。
慢性的な防衛状態が続いていたり、トラウマを抱えている人ほど、
💠身体的な心地良さなどの「安全モード」の感覚を感じることが難しい。
💠そもそも「安全モード」へのアクセスがない。
このような状態のことが多くあります。
こうした状態の場合、まずは「安全モード」をインストールして育んでいくことそのものが、癒しのための重要な要素になるからです。
頭で理解するだけでなく、身体レベルで「安全」を体験することで、長年固定化した防衛パターンそのものを変えていくことを目指します。
そして、「安全モード」の土台を育みながら、
神経系が「危険だ」と判断し続けている根本の原因…身体に刻まれたトラウマ反応や、無意識の層にある感情や思い込みなどにアプローチしていきます。
最後に。
些細なことでイライラしやすいのも、せっかちで待てないのも、
「性格のせい」ではなく、これまであなたの身体と神経系が、一生懸命自分を守ろうとしてきた結果なのかもしれません。
そういう視点で見てあげてみると、自分との向き合い方が少し変わってくるかもしれません。
そして、本質的な癒しのためには、「変わらない自分」を責めるのではなく、
このようなパターンが生まれた理由を含めて、丁寧に見ていくことが大切だと思っています。
ここまで見て来たように、自律神経系のパターンの変化のためには、努力や意志だけではなく、身体に少しずつ「安全」を感じてもらうことが必要です。
もし、
- ひとりでは難しさを感じる
- 長年のパターンを根本から変えていきたい
- 自分に合ったサポートの中で取り組みたい
そのように感じられる方は、セッションをご活用ください。
お一人おひとりの状態に合わせたサポートをさせていただきます。
また、「まずは自分でできることから試してみたい」という方のために、
次の記事では、日常の中で取り組める、🟢緑の「安全モード」を少しずつ育んでいくセルフワークをご紹介します。
ぜひそちらもご覧ください。










