せっかち・イライラを和らげていくために|「安全モード」を育むセルフワーク③【ポリヴェーガル理論】

この記事では、神経系の「防衛モード」をゆるめて「安全モード」を育んでいくためのセルフワークをご紹介していきます。

ひとつ前の記事では、せっかちやイライラしやすい傾向が「自律神経系の防衛モード」と深く関係している可能性があること、

そして、そのパターンを変えていくためには、神経系に少しずつ「安全」をもたらしていくことが大切であることをお伝えしました。

今回は、日常の中で自分でできる、🟢緑の「安全モード」を少しずつ育んでいくためのセルフワークをご紹介します。

ただその前に、セルフワークに取り組む上でぜひ知っておいていただきたい大切なことがあります。

まずは、その点から見ていきましょう。

目次

セルフワークに取り組む前に知って欲しい「抵抗」の話。

セルフワークに取り組む上で、ぜひ知っておいていただきたいことがあります。

それは、

安全になろうとすること自体が、

「防衛モード」の神経系の状態にとっては、ストレスや脅威になる場合がある

ということです。

これは特に、「早く癒されたいと焦ってしまう」という方にとって、重要なポイントです。

「防衛モード」が長く続いている人の状態とは。

🔴赤の「能動的な防衛モード」が強いパターンが長く続いている人は、

🟢緑の「安全モード」に向かおうとしたときに、怖さやイライラなどが出てくる場合があります。

「防衛モード」というのは、

神経系(無意識)が、「今は安全ではない」あるいは「警戒が必要だ」と判断している状態です。

そのような状況の中で「安心してのんびりする」と想像してみると、どうでしょうか?

どこか落ち着かなかったり、危ない感じがしませんか?

「防衛モード」が長く続いている人にとって、🟢緑の「安全モード」へ向かおうとすることは、警戒態勢の中で無防備な状態になろうとするようなものです。

そのため、無意識の防衛システムがそれを「危険だ」と判断して、警戒を強めてしまう可能性があります。

トラウマ状態からくる自律神経系の防衛パターンが強い場合は特に、

「安心する=危険」と無意識が判断する場合があります。

こうした理由から、🟢緑の「安全モード」に向かおうとするときに、「抵抗」として怖さやイライラが出てくることがあるのです。

自分の神経系のパターンと「マッチしない」という摩擦

さらに、長いあいだ🔴赤の防衛モードで生きてきた神経系にとっては、そもそも「緩む」「安心する」という🟢緑のモードに馴染みがなかったりします。

そのために、前の記事でお伝えしたような、

「自分の現在の神経パターン(🔴赤モード)と、🟢緑のモードがマッチしない」という不一致が起きて、

それが摩擦や抵抗(イライラなど)に繋がることがあります。

抵抗は「自然な反応」です。

私自身が、神経系のパターンを変えることに取り組み始めた当初は、以下のような状態でした。

「心地よい」「安心」「落ち着き」といった感覚に触れると、

一瞬は「楽だ~」となるけれど、

すぐにイライラや耐えがたさが湧き出てくる。

けれどもこれは、ずっと「防衛モード」が続いてきた神経系の状態から見れば、自然な反応だということ。

もし、この記事の最後でご紹介するセルフワークに取り組んでみて、上手く行かないと感じることがあったとしても、

ご自分を責めるのではなく、

「これは今の神経系の状態を考えれば、当然の反応なのだ」

そんなふうに捉えていただければと思います。

ではここからは、具体的なセルフワークのご紹介です。

先の記事で、「防衛モード」をゆるめるためにご自身でできることとして、以下をお伝えしました。

日常の中で、🟢緑の「安全モード」に繋がる感覚、

「心地よさ」や「安心」を、意識して身体で感じる時間を持つこと

「心地よさ」や「安心」といった感覚は、身体(神経系)にとっては「安全のサイン」だからです。

ですので、これからご紹介するワークは、「単なるリラックス」のためのものではありません。

心地よさや安心を「身体で体験する」ことが、神経系への働きかけになります。

「頑張る」のではなく「自分を楽にしてあげる」

この🟢緑の「安全モード」を感じることは、

「頑張ってやらなければならない課題」ではなく、
「自分を楽にしてあげる」ことです。

「やらなければ」と考えて、自分にプレッシャーをかけるのではなく、

「自分を楽にしてあげる時間を持ってみよう」

そんな気持ちでやってみていただけたらと思います^^

自分の「リソース」を育んでいくために。

あなたにとっての「心地よさ」や「安心」に繋がるものを、専門用語で「リソース(資源)」と呼びます。

「リソース」を育むために日常で簡単にできることとして、以下のようなものがあります。

以下は一例です。人それぞれ、心地よさや安心を感じる対象は違います。
たとえ小さくても、「自分が心地よい感覚を感じるもの」がヒントになります。

  • 自然(空、木、花)を眺める
  • 心地よい風を感じる
  • 好きな香りを嗅ぐ
  • ゆっくり動くものを眺める
  • 穏やかで優しいトーンの音楽を聴く
  • ゆったりお風呂に入る
  • 鳥のさえずりや雨音、風の音など、心地よい自然の音を聞く
  • 肌触りの良い毛布などに触れる、包まれる。
  • ペットと触れ合う、可愛い動物の動画を観る
  • 好きな飲み物をゆっくり味わって飲む
  • 好きなお笑いを見て笑う
  • 焚火など、神経系が落ち着く効果のある動画を観る
  • 安心できる友人と楽しく話す
  • ヨガなどの緩やかなエクササイズや瞑想
  • セルフタッチ…触れて心地よいと感じる身体の部分に触れる

こんなこと?

と思われるかもしれませんね。

けれども、「リソース」は、

大げさなことである必要はありません。

「ちょっとほっとする」

「なんとなく楽になる」

そのくらいで十分です。

むしろ、「完全に落ち着こう」とすると、前の記事でお伝えしたように、

今の状態とのギャップが大きくなる可能性があり、それが抵抗や苦痛に繋がる場合があります。

「今より、ほんの少しマシ」でOKなんです^^

些細なこと、遠回りなことのように思えますが、

実はこの「ほんの少しマシ」の積み重ねが、変化のための大切なポイントです。

あなたの日常の中に、実は既に存在している「リソース」を、ぜひ探してみてくださいね。

セルフケアのための本のご紹介
自律神経系を整え、リラックスや安心の感覚を育んで行くために、自分で手軽にできるワークが沢山紹介されている本。
どちらもおススメです。ぜひ人生のお供に。
「今ここ」神経系エクササイズ
オトナ女子のおうちセルフケア

最後に。

こうしたセルフワークは、

自分を変えるために無理をして行うものではなく、

神経系に少しずつ「今は安全かもしれない」と感じてもらうための働きかけです。

うまくできないことがあっても、それは今の神経系の状態から見れば自然なこと。

ご自分を責めずに、できるときに、できる範囲で。

そんなふうに取り組んでみてください。

ほんの少しほっとする。

少しだけ楽になる。

その積み重ねが、長年続いてきたパターンを変えていく力になります。

こうしたセルフワークは、神経系に「安全」を少しずつ積み重ねていくための大切な取り組みである一方、

同時に、長年続いてきた強いパターンや深いトラウマ反応が背景にある場合は、やはりセルフワークだけでは根本的な変化に繋がりにくいことが多くあります。

また、こうしたセルフワークに取り組むこと自体が難しい場合もあります。

実は私自身が、こうしたワークに取り組み始めた頃、

やってはみるものの、良い感覚や安心感なんてまったく感じることができずに苦労しました。

ひとりでは難しさを感じる方、

何から始めればいいか分からない方、

根本から変化していきたいと感じる方は、どうぞセッションをご活用いただけたらと思います。

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