今回は、セッションを継続して受けてくださっているクライアントさまの、実際のセッションの一部をご紹介します。
私のセッションは、具体的に何をしているかを言葉で説明することが難しいのですが、実際にセッションの中で何が起きているかを見ていただくことで、伝わるものがあるかもしれません。
セッション内容
セッションの最初に、クライアントのSさまが、最近気づいたことなどについて話してくださいました。
その中で、「身体が抵抗していると感じる」というお話がありました。
相談の結果、それについて見て行くことになりました。
以下は、そのセッションの一部です。
セッションの概要
T:「身体が抵抗している感じがする」とおっしゃいましたが、具体的にどういうことから”抵抗している”と感じましたか?
身体が抵抗していると感じた根拠というか…。
S:根拠、ですか・・・あれ、なんでだろう。どうして抵抗してるって思ったんだろう。
T:抵抗しているって、実際にどういう時に感じましたか?
S:病院ではどこも悪くないと言われるのに、症状が出る。
それはなんでだろう。身体が抵抗しているからだ、と…そう思いました。
T:じゃあ、実際の身体の抵抗を感じたというよりも、Sさんが、身体が抵抗していると思ったんですね。
S:ほんとうだ、私が思いましたね。
T:「身体が抵抗している」とSさんが思うとき、Sさんは、自分の身体に対してどう思っている感じがしますか?
自分の身体を、自分にとってどういうものとして見てる、というか…。
S:正常ではない、常識と違う身体だと思ってます。
「言うことを聞け!」みたいな…
「普通の、通常の働きをしなさい」という感じです。
T:では、身体が常識と違うとか、自分の思い通りじゃないと感じたときに、抵抗しているという感じがするんでしょうか。
S:ああ、そうです。それを「抵抗してる」って思ってました。
T:Sさんにとって、自分の身体が常識と違う状態、言うことを聞かない状態のままだと、何がまずい感じでしょうか。どうなってしまう感じ?
S:それだと、いつまでも楽になれない…
身体が抵抗してるからこんな症状が出るんだと思ってます。
泣きながら身体に鞭を打ってる感じがします。「しっかりしろ」って。
「なんでそんなに弱いんだ!」、そして「おまえなんかどうでもいい」という感じもあります。
でも、どうにもならない。
そして、どうにもならないことを、どこかで分かってる…
だからどうしたらいいか分からなくて・・・
いま、子どもの頃のことが浮かんできています。
(割愛:子どもの頃に起きたトラウマの出来事の場面が出てくる)
私、それと同じことを自分の身体にしていますね・・・
その時は、本当に怖かった。
でも、何かすれば自分にも及ぶから、動けなくて、そんな自分をダメだって・・・
心臓がドキドキして、布団圧縮袋の中で空気を抜かれて圧縮されてるみたい。
ぎゅーっとなっている。動けない。
T:いま、その浮かんできている場面を1枚の絵や写真にして、そして自分から遠くに置くことはできますか?
S:できます。
T:では、そうしてみてください。
離れたら、その絵や写真から目を離してみてください。
そして、少し時間を取りましょう。
(Sさまの神経系の状態が変化して、少しずつ落ち着いてきていることを観察)
T:いま、〇〇ちゃん(Sさまの愛犬)を思い出してみることはできそうですか?
S:はい、感じられます。
T:いま、自分一人でその辛い場面を見ているのではなく、ちゃんと〇〇ちゃんがいてくれること。
助けてくれる存在が一緒にいてくれているということを感られるでしょうか?
S:ぎゅーっとなっていたのが、広がってきました。
体のどっしり感を感じます。
今はちゃんと呼吸ができる…呼吸が深くなってきました。
身体の内側のあたたかさと、ほっとする感じを感じます。
T:その感覚と繋がりながら、さきほどの絵か写真を、少し離れたところから見てみましょう。
どんな感じがしますか?
S:さっきと違って、ちゃんと見てあげられる感じがあります。
「ようやった、頑張った」と思いますね・・・
S:身体が少し緩みました。圧縮袋からは出た感じ。
でも袋から出たら、うわーっと恐怖の匂いがしてきました。
すごい匂い・・・
こんな、匂いまで鮮明に残ってるんですね。
ああこれ、自分の汗のにおいだ。脂汗の匂い。
手も、背中も、脂汗をかいてる。
怖かった・・・
【セラピー部分は割愛】
S:恐怖がずいぶん減りました。ほぼ無いです。
T:では、恐怖があったところに、いま、代わりに何かがあるとしたら、何がある感じがしますか?
S:〇〇ちゃんから出てくる、ピンクのもわもわ・・・緑もあります。
良い感じです。
そして、何かが終わった…「戦争は終わった」というような感じがあります。
長かった…
良かったです。本当に良かった。すごく泣けます。
セッションの終わりに
セッションの終わりに、Sさまはこう語ってくださいました。
さっき、自分を守ろうとして動けなくなっている自分はダメだって言ったけど、それを取り消したい。
本当に怖かったし、よく頑張ったと思います。
あと、前からずっと、布団圧縮袋に布団を入れて掃除機で空気を抜いても、なぜか苦しくなって、すぐに袋を開けて空気を入れてしまうんです。
だから家に、布団圧縮袋がいっぱいあって…
ずーっと、なんでそんなことしちゃうんだろうと思ってました。
でも今日、その理由が分かった気がします。
無意識って、本当に不思議ですね。
セッションの翌日、「久しぶりにぐっすり眠れました」というご報告をいただきました。
掲載にあたって「どうぞどうぞ。お役に立てるのであれば、嬉しい限りです。」と快諾してくださったSさん。
ほんとうにありがとうございました。
この内容は、あくまでもひとつの例です。
セッションのプロセスは、その方の状態やタイミングによって大きく異なります。
身体的アプローチを中心とした神経系の安定化や、潜在意識にある感情や思い込みを探っていくこと、身体に刻まれたトラウマ反応の解放、パーツセラピーなど、その方の状態やテーマに合わせて進めていきます。
セッションの流れは、「こうすればこうなる」といった単純なものではありません。
その場で起きることを丁寧に見ていく中で、結果として自分への深い理解や変容が生まれてきます。










