突然ですが、ご自身が以下に当てはまる、と思われる方はいらっしゃいますか?
- 「私には良いところなんてひとつも無い」「私は最低の人間だ」「何の能力も無い」など、自分自身を強く否定している。
- 物ごころついた頃から生きづらさや苦しさを感じている。
- 楽になりたくて、これまで様々なことに取り組んできたが、楽にならない。変わらない。
当てはまる!という方。
あなたは、もしかしたら、
「ネガティブ・ナルシズム」という状態かもしれません。
※上記の特徴に当てはまる方すべてが「ネガティブ・ナルシズム」というわけではありません。
これらはあくまでも、「ネガティブ・ナルシズム」の方に多く見られる特徴のひとつです。
「ネガティブ・ナルシズム」状態に当てはまるかどうかの目安となるチェックテストを作成しました。
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「ネガティブ・ナルシズム」とは、どういう心の状態か。
「ネガティブ・ナルシズム」とは、溝口あゆかさん提唱の「インテグレイテッド心理学」で定義されている心理状態です。
私自身が、この「ネガティブ・ナルシズム」という状態によって、幼い頃から苦しんで来ました。
では、「ネガティブ・ナルシズム」(以下、通称「ネガナル」)とは、一体どういう状態なのか?
簡単に言うと、こうなります。
「ネガティブな思い(自己像・セルフイメージ)」にすっかり同化し、
それがアイデンティティとなってしまっており、
絶え間なく自分否定、自分批判をしている状態。
・・・って、よく分からないですよね
これから詳しく説明して行きますね。
「ネガティブな思い(自己像・セルフイメージ)」というのは、たとえば…
- 私は自分の力では、全く何もできない。
- 私は愛される価値が無い。
- 私は身勝手で自分のことしか考えない、酷い人間だ。
- 私は異端だ。
- 私は、誰からもどうでもいい存在だ。
- 私は邪魔者だ。
など、様々なものがあります。
生まれ持った性質や、その後の成育歴によって、
どんなネガティブな思い(自己像・セルフイメージ)を持つかは、人それぞれ異なります。
「ネガナル」の方に限らず、私たちは、意識上にも無意識下(潜在意識)にも、様々なネガティブな思いと感情を持っています。
それは、ひとつやふたつではありません。(残念ながら・・・笑)
では、「ネガナル」と、それ以外の方で何が違うかと言うと、
「ネガナル」の方は、そのネガティブな思い(自己像・セルフイメージ)を、
全力で、100%どころではなく、1,000%くらいのパワーで、
「これが私だ!!!!!」と信じ切っている
ということです。
ネガティブな思いに、深く、完全に【同化】している状態。
つまり、例えば、
「私は自分の力では全く何もできない」というネガティブな思い(自己像・セルフイメージ)を持っている場合、
私は、絶対に、何をどうやっても、
自分の力では、全く何もできない人間だ。
こんな風に信じている状態、ということです。
このような状態を
「ネガティブな思い(自己像・セルフイメージ)」と「自分自身」とが完全に一体化している
(つまり、「ネガティブな思い」=「自分自身」となってしまっている)
という意味で、
「ネガティブな思いに、深く、完全に【同化】している状態」と言います。
(この先、そのような意味で「同化」という言葉を使って行きますね。)
「ネガナル」状態の人に限らず、ほとんどの人は、自分の「思考」、「身体」、「感情(感覚)」に 【同化】している状態です。(=それらを「自分だ」と感じている状態。)
そして、「ネガナル」状態の人は、その 【同化】の度合いが、普通の人よりも強く、
特に、ネガティブな思い(自己像・セルフイメージ)への 【同化】が激しいということなのです。
例えば、「私はバカだ」という思い(自己像・セルフイメージ)を持っている場合、
普通の人と「ネガナル」状態の人の感覚の違いを、頑張って言葉にしてみると、
普通の人が、
「私はバカだ。(でも、それ以外の面もある。)」
という感じだとすると、
「ネガナル」状態の人は、
「私はバカだ!!!(「私=バカ」)」
という感じ。
何となく伝わりますでしょうか。汗
私の場合は、最も「これこそが私だ」と感じている(=深く同化している)ネガティブな思いは、
「私は身勝手で、自分のことしか考えない、酷い人間だ」というものです。
だから、心の底から自分のことを、
「私は世界で一番、心の汚い、酷い人間だ。」と、大袈裟では無く、そんな風に思っていました。
「ネガティブ・ナルシズム」状態の苦しみとは。
さて、こんな風に、ネガティブな思い(自己像・セルフイメージ)と、完全に「同化」してしまっていたら。
「私は、自分の力では全く何もできない人間だ」
「私は世界で一番酷い人間だ」
本気で疑いなく、自分のことをそんな風に見ていたら、
そして「それこそが自分」と感じていたら、
果たして、どんな風に感じるでしょうか?
「ネガナル」という状態の苦しみは、ここにあります。
こんな風に、「ネガティブな思い」=「自分自身」となってしまっていると、
どこに居ても、何をやっても、
24時間、毎日の生活を送っているのは、この「ネガティブな自分」なのです。
「ネガティブな自分」がデフォルト、という言い方もできます。
ネガナル状態ではない人との「違い」
ここで、分かりやすいように、「ネガナル」状態では無い人について、考えてみますね。
「ネガナル」状態では無い人も、「ネガティブな思い(自己像・セルフイメージ)」は、いくつも持っています。
けれども、基本的には、「ポジティブな思い(自己像・セルフイメージ)」も持っていて、
そちらの方も、「自分自身だ」と感じています。
ポジティブな思い(自己像・セルフイメージ)は、例えば、
- 私には良いところ、長所もある。
- 私には頑張る力、達成できる力がある。
- 私は人から受け容れてもらえる、助けてもらえる存在だ。
こんな感じです。
そういった、ポジティブな思い(自己像・セルフイメージ)も「自分自身」なので、
「100%、自己否定だけを繰り返す」ということにはなりません。
(※ただし、現実的に大変な状況に陥るなど、大きな苦しみがある時は、自己否定が激しくなることがあります。)
「ネガナル」状態の人は、それとは違って、
ほぼ100%、自分に対して、否定的な気持ちしか持っていません。
なぜなら、ネガティブな思いに、深く、完全に【同化】しているために、
(つまり、「ネガティブな思い」=「自分自身」となっているために、)
自分自身についての客観性が、まったくありません。
客観性ゼロの状態です。
そのため、多くの場合、「私には良いところがひとつも無い」など、本気でそう思っているのです。
実際には、他の人と同じく、自分にも良いところがあるにも関わらず、
ネガティブな思いに完全に同化しきっているため、それに覆われて、まったく見えなくなっている状態です。
これ、苦しいんですよ~汗汗
「良いところがひとつも無い、完全にネガティブな自分」として生きていたら、そりゃあ辛いっていうこと、ご想像いただけますでしょうか?
そんな状態で生きていたら、たとえば、こんな風に感じます。
私みたいな酷い人間は、誰からも受け容れてもらえない。
自分以外のみんなが、恵まれていて幸せそうに見える。
私の苦しみは、誰にも分かってもらえない。
などなど。。。
そして、「ネガナル」状態の人が、更に苦しむ理由が、
そのネガティブな(ダメな)自分自身を、激しく否定していることです。
私の例で言えば、自分自身を「私身勝手で自分のことしか考えない、酷い人間だ」と、心の底からそう思い、
そんな自分のことを「世界で一番、心の汚い、醜い人間だ」と強く責めていました。
ネガティブな思い(自己像・セルフイメージ)に、完全に同化しているだけでも、苦しく、生きづらいのに、
更に、そんな自分を激しく否定していたら・・・
私は、なんて情けない人間なんだ。
こんなにダメな人間は居ない。
こんな自分はイヤだ!!最低だ!!!大嫌いだ!!!
そんな風に否定していたら・・・
ものすごく苦しいのは、当然ですよね。
そのため、「ネガナル」状態の人の苦しみは、その状態ではない、他の多くの人のように、
「現実的に、何か苦しみを生む出来事が起きたため」ではありません。
「ネガティブな自分」がデフォルトとなっており、更に、その自分を絶え間なく否定しているために、
「現実的に大変な状況に陥っている」とか、そういうことには関係無く、
何かが起きても、起こらなくても、常に苦しいのです。
「ネガティブ・ナルシズム」(ネガナル)ってどういう状態か、少しはお伝え出来てたら良いなと思います。
▼ネガティブ・ナルシズムの方に多く見られる「特別感」…「私は特別な人間」という感覚について
なぜ「ネガティブ・ナルシズム」状態の人は、何をやっても楽にならないのか?
さて。
最初にご紹介した「ネガナル」の特徴のひとつに、
楽になるために、これまで様々なことに取り組んできたが、楽にならない。変わらない。
というものがありました。
なぜ「ネガティブ・ナルシズム」状態の人は、何をやっても楽にならないのか?
長くなりましたので、次の記事に続きます。
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