「感情を感じ切る」が上手く行かない「抵抗」の正体とは?【感情を感じ切るコツ③】

「感情を感じ切る」をテーマにお届けしているシリーズ第3弾。

今回は、多くの方がつまづきがちな「抵抗」の正体ついて書いて行きたいと思います。

「感情を感じ切る」が上手く行かないのは、
自分がどこかで抵抗してしまっているからなんじゃないか

そんなふうに思って、どうしていいか分からずに行き詰まっていませんか?

この「抵抗」と言われる現象は、
実は、あなたの「心の問題」ではなく、 身体(神経系)のキャパシティの状態によるものかもしれません。

シリーズ第3弾の今回は、感情を感じ切るのが苦しい・難しいと感じる時や、なかなか変化に繋がらない時に起きている「抵抗」の正体を、心身の仕組みから紐解いていきます。

🌱この記事は、こんな方に向けて書いています

  • 「感情を感じ切る」をやっても消えない。変化を感じない。
  • 「感情を感じ切る」に取り組んでいるが、自分が抵抗しているようで、自分を責めてしまう
  • 感情に抵抗してしまう自分を、どうにかしたいと思っている
  • 恐怖や不安などの感情を感じるのが怖い。
  • 自分はもしかして発達性トラウマかもしれないと思う。
目次

感情を感じ切るのが上手くいかないのは「抵抗」のせい?

「感情を感じ切る」がうまくいかない理由として、よく言われるのが

「抵抗しているから」

という説明です。

そんな言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

私も、癒しに取り組み始めた頃に「感情は感じ切れば消える」と教わりました。
けれども、自分では頑張って感じ切っているつもりなのに、消えないし、変わらない…

そのときに言われたのが、「それは抵抗しているからだ」という言葉でした。

確かに、不安やイライラ、恐怖などの感情をウェルカムできているわけではない。
できれば感じたくないし、消したい。
早く無くなって欲しいと思っている。

それが「抵抗」なのであれば、確かに私は抵抗している。

でもじゃあ、この抵抗を止めると言っても、どうやって??
どうしたら、抵抗しない状態になれるの?

そんな状態に陥りました。

抵抗せずに受け容れることが大切だと、頭では分かっている。
自分では受け容れているつもり。
でも変わらない。

ということは、やっぱり自分は本当には受け容れられていないのか…

でも、どうしたら本当に受け容れることができるの?

こんなふうに、当時の私はどうしたらいいのか分からずに行き詰っていました。

「心理的な抵抗」ではなく「身体レベルの抵抗」

確かに「抵抗」と言える状態は存在します。
そして、抵抗が強く働いていると、感情のプロセス(変容)はスムーズに進まない可能性は高くなります。

ただ、このときに言われる「抵抗」を、
多くの人は、「心理的な抵抗」だと捉えているのではないでしょうか。

かつての私もそうでした。
「心理的に抵抗しているから、受け容れることができていないから」上手く行かないのだと思っていました。

けれども実は、感情のプロセスがうまく進まないときに起きているのは、

「心理的な抵抗」というよりも、
「身体レベルで起きている抵抗」
なのです。

これは専門的な言い方をすると、

とも言えます。
「キャパシティ(処理できる範囲)の詳しい説明は、こちらの記事をご覧ください)

つまり、あなたの意思や気持ちの問題として「イヤだ」と抵抗しているのではなく

身体や神経系が「これ以上は無理!」と、処理(プロセス)ができなくなっている状態なのです。

感情に圧倒されている状態…それが「抵抗」の正体

「キャパシティ(処理できる範囲)を超えてしまっている状態」は、別の言い方をすると、

「感情に圧倒されている状態」
だと言えます。

ここで重要なのは、「圧倒されている」という感覚は、必ずしも自覚できるとは限らないということです。

本人は「頑張って向き合っているつもり」でも、
身体や神経系のレベルでは、すでにキャパシティを超えてしまっているということはよくあります。

このような状態のまま無理に感情に向き合おうとしても、身体は「危険だ!」と判断して防御に入るため、変化や変容にはつながりにくくなってしまいます。

これが多くの場合の「抵抗」の正体です。

抵抗なく、感情を感じるために大切なこと。

では、このような「抵抗」なく、真に感情を受け容れて、感じてあげるためには、何が必要なのでしょうか。

それは、

キャパシティの範囲であること」

つまり、

「その感情を感じても大丈夫だ」いう感覚が、ちゃんと身体の内側に存在していること。

です。

この土台がないまま感情に向き合おうとすると、
どれだけ頭や心で「受け容れよう」「抵抗しないようにしよう」としても、身体や神経系は、自然とブレーキをかけてしまいます。

「その感情を感じるのが怖い」
「どうしても抵抗してしまう」

というとき、それはあなたが弱いからでも、ダメだからでもなく、
今のあなたのキャパシティを超えてしまっている」という状態が、背景にあるかもしれないのです。

こんな風に、たとえば「できない自分はダメだ」と思ってしまっていることも、心や神経系などの「正しい仕組み」を知ることで、「だからだったのか!」と、本当の原因が分かる場合もあります。

そういう意味でも、心や身体、人間というものの仕組みを知っていくことは大切だと思っています^^

具体的にどう取り組めばいいのか?

では、ここからは、キャパシティを育て、安全に感情と向き合えるようになるために、具体的にどうすればいいのか。

  • キャパシティの範囲内で向き合うには?
  • どうすればキャパシティを育て、広げていけるのか?

ご自身でできる取り組みのポイントをお伝えします。^^

1.大丈夫な範囲で、少しずつ向き合う

まず大切なのは、「無理に感じ切ろう」と頑張ることではなく、

「圧倒されない範囲」、
つまり、「自分のキャパシティの範囲内、大丈夫な範囲」で、少しずつ向き合うことです。

これは別の表現をすると、

その感情と同化したり飲み込まれたりするのではなく、
「今ここ」で感じられる「安心や安定」を土台にしながら、その感情に触れていく、繋がっていく。

ということ。

苦しい感情や感覚を感じながらも、今ここで、安心や安定を感じられる

この感覚を保てる範囲が、いわば「キャパシティの大きさ」と言えます。

2.「大丈夫な感覚」を育てていく。

もしも、

「感情を感じるのが辛い」
「もしかしたら、圧倒されているかも…」

そんな風に感じる場合は、

トラウマ的な感情や感覚と向き合うことよりも先に、
まずは「身体的な安心感や心地よさを感じる練習」をお勧めします。

なぜなら、安心感や安全感こそが、「キャパシティ(=耐性の窓)」を広げる栄養分だと言えるからです。

身体で「大丈夫な感覚」を体験して、知って行く。
内側にその感覚を育てていく。

そのことによって、「キャパシティ(=耐性の窓)」が広がっていきます。

概念ではない、本当の「安心」「安全」を感じる。

なお、「安心」や「安全」は、概念ではありません。

頭でいくら「これは安全だ」「安心していいはずだ」と言い聞かせたり、理解したりしていても、
身体がそれを感じられていなければ、
その「安心」や「安全」は、あくまで頭の中の思考に過ぎず、いわば、「絵に描いた餅」でしかありません。

「安全・安心」というのは、
身体で感じられてはじめて、私たちにとってのリアル(本物)になります。

3.日常でできる「リソース(資源)」づくり

「身体的な安心感や心地よさを感じていくこと」は、
キャパシティを育て、広げていくうえで、とても大切なプロセスです。

キャパシティを広げるために、日常の中で、「心地よさ」や「安心」を感じる時間を意識的に持ってみましょう。

あなたにとっての「心地よさ」や「安心」に繋がるものを、専門用語で「リソース(資源)」と呼びます。

【例えばこんなこと】

  • 自然(空、木、花)を眺める
  • 心地よい風を感じる
  • 好きな香りを嗅ぐ
  • 穏やかで優しいトーンの音楽を聴く
  • ゆったりお風呂に入る
  • 鳥のさえずりや雨音、風の音など、心地よい自然の音を聞く
  • 肌触りの良い毛布に触れる、包まれる。
  • ペットとの触れ合う、可愛い動物の動画を観る
  • 好きな飲み物をゆっくり味わって飲む
  • 好きなお笑いを見て笑う
  • 焚火など、神経系が落ち着く効果のある動画を観る
  • 安心できる友人と楽しく話す
  • ヨガなどの緩やかなエクササイズや瞑想
  • セルフタッチ…触れて心地よいと感じる身体の部分に触れる

などなど。

大げさなことである必要はありません。

「ちょっとほっとする」
「なんとなく楽になる」

そのくらいで十分です^^

こうした「心地よさ」や「安心感」、「自分らしくいられる感覚」を日々味わっていくことは、少しずつキャパシティ(耐性の窓)を育て、広げていくことに繋がります。

「安心」や「心地よさ」について大切なこと。

「安心」や「心地よさ」を感じる時に、いちばん大切なことは、

世間で「これが良い」と言われているものをそのまま実践するよりも、
あなた自身が「安心できる」とか「心地よい」と感じられるかどうかを指針にすること。

何に、どんな「安心」や「心地よさ」を感じるかは、ほんとうに人それぞれだからです。

そして、「自分にとっての安心や心地よさ」を少しずつ探してみることが、
自分を大切にすること」にも繋がっていきます。

トラウマの影響が大きい場合。

トラウマの影響が大きい場合などは、
そもそも、心地よさや安心感を感じることそのものが難しい場合があります。

また、強いトラウマや大きな感情に自分ひとりで取り組むのは、非常に難しいことでもあり、無理をすると、逆に苦しさが増してしまうこともあります。

そうした場合は、無理をせず、プロのサポートに頼ることをお勧めします。

トラウマの知識と視点を持つ専門家――
たとえば、SE™療法(ソマティック・エクスペリエンシング)などのトラウマ療法のプラクティショナーのサポートを受けることが、安全で確実な選択になります。

なお、ずっとセッションを受け続けなければならないわけではありません。
セッションによって少しずつキャパシティが大きくなっていきますし、体験を積む中で「キャパシティの範囲内で扱うとはどういうことか」が分かるようになって行きます。
そうしてやがては、自分自身でも対応できる力がついていきます。

この記事が、かつての私のように「癒しに一生懸命取り組んでいるのに、なかなか変わらない…」と感じている方にとって、何か少しでも参考になれば、とても嬉しく思います^^

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