先週は、Somatic Experiencing®(SE)という、米国のPeter Levine博士が開発した身体と神経系の統合をベースにしたトラウマ療法のトレーニングに参加していました。
1週間みっちり終日オンラインでのトレーニングというのは初体験でしたが、
疲れた…(つД`) 笑
3年間のトレーニングの最初の1週間だったのですが。
トレーニング中に私の中の怒りや抵抗、根っこの孤独感・孤立感などが炙り出されて、なかなかハードでした(^^;
(ありがたいことに、そのケアもしていただきました。)
私にとっては、単に知識や技術を学ぶ場というよりも、実体験を通して自分の神経や心の状態と向き合い、理解して、そして「土台」を育んで行くための場になるように思いました。
それこそが今の私に必要なものかもと感じます。
これからの3年間、怖いような楽しみなような…(;’∀’) 笑
そしてここでの学びを、またどんどんセッションに活かして行きたいと思います^^
知っておきたい「トラウマケアの要素」
カラスに襲われた?話。
話は変わって。
そのSEのトレーニング中のある日、
カラスに襲われました…( ;∀;)
終日みっちりオンラインなので、トレーニング開始前の朝の時間、外の空気を吸いたいと思って家の裏の遊歩道に出ました。
遊歩道には樹があって、こぢんまりしていますが気持ちの良い場所です。
北海度はまだ新緑の名残があって、朝の陽の光で葉っぱが美しく輝いています。
「気持ちいいなあ~」と歩いていたら、大きな羽音と風、何かが私の頭スレスレの場所を飛んで行った!
何が起きたか一瞬分からず、周りを見回してカラスだ!と認識したのですが、偶然なのか狙われたのか…
びっくりするやら怖いやらでパニックになりながら何歩か歩いたところで、また来た!
偶然じゃない、私に向かってきてる!と思ったら、また恐怖が・・・
( ノД`)
カラスに向かって「わー!!」と叫びたいような衝動と、バクバクの心臓、狙われたという恐怖とショック…
そんな状態で家に帰って、その日のトレーニングが始まったのでした。
トレーニングの最初に、まず数人のグループで、その時に感じていることや思ったことを何でも話してOKの時間があります。
家に帰ってから、EFTでショックや怖さにタッピングをしたものの、完全には落ち着いていない状態だったので、
(EFTは、このような急性のショックには特に効果が大きいと思います。→EFTについては こちらから)
その時間に「さっきカラスに襲われて、まだドキドキしてて…(◎_◎;)」という話をしました。
するとメンバーの中に、関東出身で北海道に何年か住んだ経験のある方がいて、
「あ、それ、この時期の北海道ではあるあるですよ~。自分もやられたことあります^^」という話をしてくれました。
その話を聞いて「ああ~そうか!」と、ほっとしたのです。
その時に、この出来事について私はどこかで「自分だけに、おかしな・何かしらの異常なことが起きた」と感じていたこと、
そしてそれは被害者的な意識に繋がるよりも、「何か私がおかしいからかもしれない」というような、自分自身への不安感や心許なさ、怯え…そういった感覚に繋がっていたことに気が付いたのでした。
そんな状態だったために、「北海道ではあるあるだ」ということ、「やられた人はいっぱいいる」「自分だけではなかった」ということが、その時の私には安心をもたらしてくれました。
人の少ない北海道では、関東よりもカラスの人への警戒心が強いらしく、繁殖期のこの時期はこういうことが良くあるらしい。
(どれくらい良くあるかと言うと、私が襲われた数日後に、自転車に乗っていた夫もやられたそうで Σ(゚Д゚)
自転車にまで向かって行くとはすごい勇気だ…。)
私も怖かったけれど、きっとカラスも、人を警戒して怖がっている故の行動なのでしょうね(^^;
ショックな出来事がトラウマ化する要素とは。
ショックな出来事がトラウマ化する要因として、「UDIN」という4つの要素が揃った時というのがあります。
その4つの要素とは、
- Unexpected…予期していなかった
- Doramatic…衝撃が大きい
- Isolated…孤立した状態(周りに人が居ても本人が孤立・孤独を感じていたらこれに該当します)
- No strategy…対処できなかった、対処する術が無かった
もちろん、この4つが揃ったら「必ずトラウマ化する」ということではありません。
その時の状況や本人の心身の状態などによって、トラウマ化するかどうかは一概には言えません。
またトラウマ化する要因として「UDIN」以外の指標もあります。
しかしながら、トラウマについて理解する時に、またトラウマ化することを防ぐために、この4つの要素を見ることはとても助けになると思います。
早期の発達性トラウマは、より本能的な反応、自律神経や脳などのシステム的な反応と見ることもできます。
トラウマ化は、防ぐことができる。
先ほどのカラスに威嚇されたことを例に挙げると、
私の場合、この4つがバッチリ揃います…( ;∀;) 笑
UDINの4つの要素が揃った!
じゃあトラウマになっちゃうの??
と言うと…
その後のケアによって、トラウマ化するのを防ぐことができるのです。
どういうことかと言うと、その出来事の後に(できれば早い段階で)、この「UDIN」を和らげるようなケアをすることで、トラウマ化を防ぐことができます。
私の場合、まずEFTで襲われた時のショックをケアしました。
そして「北海道ではあるあるだ」「やられた人はいっぱいいる」という話を聞いたことは、私にとって「Isolated…孤立した状態」…この時の私の感覚では「私だけにおかしな、何らかの異常なことが起きた」というような感覚を和らげてくれて、
それで少しほっとしたのだろうと感じます。
(けれども、その後もまだ少し怖さやショックが残っているので、未完了の防衛反応を完了させるべく、身体のやりたいこと…威嚇するように唸るとか衝動を身体で表現するとか、そういうことをしています^^)
トラウマ化してしまいそうなショックな出来事が起きてしまった時は、ぜひこの「UDIN」を思い出して、周囲の人の力も借りながら、この要素を和らげることをしてみていただけたらと思います。
そして、難しい時は無理をせずに、ぜひ専門家の力を借りていただきたいと思います。
唐突ですが…いま友人に教えてもらった「百姓貴族」という漫画を読んでいるのですが、いやあ面白い!
そしてあまりの逞しいエピソードにカルチャーショック!!
農業や畜産に携わっている方々に心から敬意と感謝を表しますm(__)m
こういう人たちにとっては、カラスに威嚇されたことなど恐らく屁の河童で、トラウマ化などはしないでしょう(^^;
その出来事がトラウマになるかどうかは、「何が起きたか」ではなく、あくまでも「その人がどう感じたか」なのです。
ですので、その人の状態や状況によっては、カラスに威嚇されたことも、
また他人からの何気ないひと言や失恋なども、トラウマとなる場合があります。
「こんなに辛いのは自分だけだ」という感覚は、苦しみの要素のひとつ。
「トラウマについて理解する時に、またトラウマ化することを防ぐために、この4つの要素を見ることはとても助けになると思います。」と書きました。
この「UDIN」の要素は「トラウマ化するのを防ぐため」だけではなく、
「トラウマ状態をケアして癒して行くため」にも助けになる要素なのです。
トラウマのケア・癒しについては、単純だとはそりゃもう言い難いのですが(^^;(私も学ぶことはまだまだ沢山あります。)
ここでちょっと、「UDIN」要素のひとつ「Isolated…孤立した状態」についてお話したいと思います^^
悩みや苦しみの渦の中に居る時というのは、はっきりと、そう思ったり感じたりはしていなくても、
「こんなに辛いのは、こんな状態なのは自分だけだ」という感覚があることが多いように思います。
悩みや苦しみの渦の中に居る時というのは、
実は、トラウマの渦の中に居る状態であることも多いのですが。
トラウマの渦の中に居る状態というのは、
身体の感覚や状態が、トラウマの渦中の状態…つまり先ほどの「UDIN」の状態になってしまっていると言えます。
つまり、トラウマ時の衝撃や孤立感、対処する術の無さなどを感じている状態です。
ですので、悩みや苦しみの渦の中に居る時は、強い孤立感・孤独感がそこにあったりします。
私もずっと、そして何度もそういう状態を体験してきたわけですが^^
その時に助けになったのが、
いま、この世界のどこかに、必ず、自分と同じような状況・状態の人や、同じような苦しみを抱えている人が存在する。
ということでした。
悩みや苦しみというのは、もちろんその内容は千差万別、ひとりひとりのストーリーはまったく違うでしょうが、
けれども、人間の状態や悩み・苦しみには、実はそこまで多くのバリエーションは無いと私は思っています^^
悩みや苦しみの根底にあるのは、多くの場合、
深い悲しみや嘆き、恐れ、恨みや怒り、どうしようもないくらいの孤独や絶望…そういうものたちです。
もしかしたらあなたにとっては、あなたと同じ「それ」を感じている存在は、人間ではなく、動物や植物かもしれません。
いま、この世界のどこかに、あなたと同じくらいの「それ」を感じている人や生きものは、必ず存在しているのではないでしょうか。
悩みや苦しみの渦中、トラウマの渦の中に居る時は、視野がものすごく狭くなっています。
いま、この世界のどこかに、必ず、自分と同じような状況・状態の人や、同じような苦しみを抱えているものが存在する。
実はもしかしたら、あなたの家族や知っている人も、それを感じていたりするかもしれない。
そのことに思いを馳せると、私の場合、
その狭くなった視野が少し開かれ、
そして「見知らぬ誰か」との微かな繋がりや、労り・共感のような気持ちが自然と湧いて、涙が流れるのでした。
なお、これは、
「苦しいのは自分だけじゃない」と自分の苦しみを抑えたり、
「他にも苦しい人は居るのに…」と自分を責めたり恥ずかしく思ったり。
そういう方向に使っていただきたいわけではありません。
もしも、この世界に恐らく存在する「誰か」に思いを馳せることが、あなたの助けになる感じがあるのなら…
微かであっても、その「誰か」と繋がりや共感が感じられるのであれば、やってみていただきたいと思います^^
まったく助けにならない場合ももちろんあります。
恐らく、癒しに取り組み始めた頃の私には、これはまったく助けにならなかったと思います。
(たぶん、「そりゃまあそういう人は存在してるでしょうね…で?それがなに??(怒)」となっていたかと…笑)
これに限らず、どんなものでも万人に合うものは無いですから、ご自分に合うと感じる他のことをどんどんやってみられてくださいね!
「誰か」に思いを馳せて繋がり、愛を送るワーク
YouTubeにアップしているセルフケアの音声の中に、”この世界に存在する「誰か」に思いを馳せて愛を送るワーク”があるので、最後にご紹介させていただきます。
ご興味のある方は聴いてやってみてくださいね^^
ワークを体験してくださった方からは、こんなお声をいただきました。
- 集合意識として捉えることで、幽体離脱と同様、高い視点から問題を見直せ、また、自分の中の愛を強く感じられて良かったです。
- 自分のネガティブな感情への共感を集合無意識の同じ感情への共感に広げていくワークは、私にとって新境地でした!
「ハートの奥の神聖で平安な場所」がキーポイントですね。
この場所、自分のなかに発見してたので、これから益々探求が楽しみです。 - 世界、ご先祖さま、地球、生物などの集合意識としての恐れや、不安も、みんなもそうかもと、まとめて癒されていく感覚。
なお、音声の中で紹介しているのは「苦しみをハートに吸い込む」というワークですが、
これに抵抗があったり苦しく感じられたりする方は、
苦しみではなく、この世界の美しいもの…光や風、空、星、樹々、大地、炎、水…そういったもの、そのエネルギーを、
吸う息とともにご自分のハートに取り込んで、
そして吐く息で、自分と「誰か」に広げて行く・伝わって行くようにしてみてください^^
ワークの誘導は動画の「10分00秒」くらい始まります。