心の中を見て行くことに、怖さや不安を感じる人へ~時空を超えて、傷付いた「かつてのあなた」と、今のあなたを助けること。

目次

恐ろしいものや醜いもの、得体の知れないものが出てきそう…

セッションやセラピーで、心の中、心の深層を見て行くことに怖さや不安を感じる方は、それなりに多くいらっしゃいます。

その怖さや不安は当然のものです^^
何が出て来るか分からないし、自分が見たく無いような恐ろしいものや醜いもの、得体の知れないものが出てきそうな気がしたりしますよね。

今日はそんな方に向けて、
心の中、心の深層を見て行くことはどういうことなのか、
そして自分の傷を癒すとはどういうことなのかを、
ちょっと書いてみたいと思います。

あなたが感じる苦しみのほとんどは、「かつてのあなた」が感じたもの。

現在のあなたが感じる不安や恐れ、怒り、焦り、孤独感などの苦しい反応や感覚は、

いま現在のあなたの中で起きていますが、
けれども実は、過去のある時…「かつてのあなた」が感じていたものです。

その「かつてのあなた」が感じた痛みや苦しみは、私たちの身体(神経系や脳を含む)や意識に深く刻まれたために、
冷凍保存のように、今日まであなたの中に在り続けて来ました。

これが「トラウマ」と言われるものです。

なお、トラウマは、事故やいじめ、暴力などのようなことに限らず、
一般的に「些細なこと」と言われるようなことであっても、状況によってはトラウマになり得ます。
そして、トラウマを語る際に、「他人から見たら大したことは無いのに」「これくらいのことで」など、他者の基準や一般的な基準は意味がありません。
「その人がどう感じたか」だけが重要です。

実は私たちはみーんな「トラウマまみれ」です( ;∀;)

だから、「苦しみまでは行かないけれど、気になる反応や繰り返すパターンなどがある」という方にとっても、心理セッションやセラピーというのは、実は大きな助けになります^^

けれども私たちは、それを「かつての私が感じたもの」とは到底思えずに、
「いまの私の反応、痛み」として感じます。


確かに、その反応や痛みは「いま現在のあなたの中」で起きているので、そのように感じるのは当然なのですが。

けれども実際は、「かつてのあなたが感じて、それからずっとあなたの中に存在し続けている感覚や痛みなのです。

これは、話を聞いただけで「そうか」とは思えませんよね(^^;)
思えなくて、これまた当然です。


けれども、セラピーで心の深層、無意識層を見て行く中で、
反応や痛みの根っこにある感覚や感情に出会った時に、

「ああ、これは、あの当時の私が感じていたものだ」ということが、体験的に分かります。
「あの時からずっと、私の中にこれがあった」ということが。

そして、自分がその感覚や感情のフィルターを通して世界を認識して生きて来たということも。

これが「投影」です。
当方のセッションでは、この「投影」を、知識ではなく体験として理解していただくことを大切にしています。
本当の意味で投影が分かることは、根本的に苦しみから抜け出して行くための大きな助けになるからです。

どこか他所から来る恐ろしいものや得体の知れないものではなく・・・

つまり、どういうことかというと、
あなたの心の中、無意識層を見て行って出て来るものは、

すべて、かつてあなたが感じた
痛み、悲しみ、やりきれなさ、激怒、慟哭、絶望、孤独…

そういったものたちです。

どこか他所から来る恐ろしいものや得体の知れないものではなく。
紛れもなく、かつてのあなた自身が感じたもの。

そして。

その当時のあなたは、
何の助けもなく、たったひとりで、その痛みや悲しみ、絶望や孤独を抱えていました。

そして、

ずっと助けの無いまま、無意識層に置き去りにされ抑圧されてきました。

セラピーとは、

その当時のあなたを…
ひとりぼっちで痛みや悲しみ、絶望、孤独、そういったものを抱えたまま置き去りにされていたあなたを、

時空を超えて、今のあなたが助けに行くこと。

助けるというのは、大袈裟なことではなくて。

寄り添ってあげること。
理解してあげること。
温もりや光を感じさせてあげること。
「誰かが居てくれている」「助けがある」「ひとりじゃない」と感じさせてあげること。
安心させてあげること。

痛みを抱えていたかつてのあなたは、何よりも、
理解してくれる人、ありのままの自分に寄り添ってくれる人を求めていたのではないでしょうか。


「誰かひとりでも、助けてくれる人が、分かってくれる人が居てくれたら…」
当時のあなたは、そう願ったことが無かったでしょうか。

その求めていた人に、いまのあなたがなってあげること。

これは同時に、「紛れもない、私自身がこの痛みを感じていたのだ」というのを理解することでもあり、
過去だけではなく、いまのあなた自身に、理解や温かさを向けることでもあります。

私はセラピーを、こういうものだと思っていますし、
これが、傷を癒し、自分の内側の安心感を育み、そして愛に触れて行くプロセスだと思っています^^

なお、ここで言う「痛みを抱えていたかつてのあなた」は、パーツ心理学の概念では「傷付いたパーツ」と言うこともできます。

▼パーツ心理学については以下の記事をどうぞ

私のあるセルフワークのシェア。

私は自分で自分に対してセラピーをすること(セルフワーク)を、かなりやります。
セラピーってどういうことが起こるのか。
「かつての私を助けに行く」ってどういう感じなのか。
イメージしていただきやすいかな~と、私のあるセルフワークの体験をシェアしたいと思います^^


「いま現在の私」に起きた反応は、小さなイライラでした。

その反応を、身体の感覚に寄り添いながら掘り下げて行くと(無意識層への入口は身体の感覚ですので、身体の感覚に寄り添うことがとても大切です。掘り下げのやり方は簡単にはお伝えできないので省きますm(__)m)、

その奥には「怒られる怖さ」がありました。

その怖さはかなり強烈で。
それをよく感じていると、自然に、小学校1年生くらいの自分のイメージが出てきました。
そのイメージは、怒られる恐怖でいっぱいで、ぎゅーっと小さく小さく縮こまっていました。

その感覚に触れた時に、「ああ、この恐怖は知っている。確かにその頃の私はそれを感じていた。」と感じました。
こんな風にセラピーの中で、「いまの私」が感じているように思っていたものが、実はそうではなく、過去のその当時の私が感じていたものであり、ずっとそれが自分の中にあったということが体験的に分かります。

ひとりぼっちでその恐怖を抱えていた当時の自分を助けるようなつもりで、その恐怖に寄り添います。
「こんなにも怖かったね」「怖くていいよ」
その当時の私が感じていた感覚や感情を、変えようとするのではなく、そのまま受け容れて行きます。

そして、なぜ怒られることに対して、そこまでの恐怖を感じるのか?
さらにそこを掘り下げて行くと、その奥にあったのは「私が悪い」という思いと、完全に疑いなく100%その思い(「私が悪い」)を信じている感覚でした。
その思いには、強烈な恐怖、そして自分の存在への罪悪感や恥のような感覚が伴っています。

この「私が悪い」という思いや感覚が底の方にあるから、怒られることがあんなにも怖かったのだということが分かりました。
そして、 この「私が悪い」という思いや感覚にも、とても覚えがあって。
ずっと私の中にこれが存在していたことが、ありありと感じられました。

その、 かつての幼い私が感じていた罪悪感や恥のような感覚を、理解して、寄り添い一緒に感じて行きます。
幼い私の罪悪感や恥を、温かいスペースの中で、十分に感じられるように。表現できるように。
そして、労りや安心が感じられるように。

しばらくそうしていると、自然と幼い自分が少しずつ立ち上がって、風や光を感じている様子になって行きました。
(セラピーでは、このように自然に変化が起きてくることが多くあります。)

その様子をじっと見ていると、その子が、大きな勇気を内側に持っていることが感じられました。
その勇気があったから、ずっとこの恐怖を外に出さずに抱えていることができたのだと。

そして、今の大人の私の中から「ずっと抱えててくれてありがとう」という感謝が沸き上がってきました。
感じるのが耐えられないような恐怖だから、それが外に出ないように、ずっと内側に抱えて来てくれていたのだということが、自然に伝わって来たのです。
ものすごい勇気だと感じました。

涙とともに心から「ありがとう」とその子に伝えると、
立っているその子の中に、力強さと勇気、そして深い優しさ、慈愛・・・自然に人に手を差し伸べるような質。
そういったものが感じられました。

それはとても尊いようなエネルギーで。
それを感じると心が震えて、自然に祈りたいような気持が湧いてきました。
私たちの意識の深層には、誰もの中に、こうした本質的な質、エネルギーが存在しています。
セラピーでは、こうしたものに触れることも起こったりします。


ここでワークを終えましたが、ワーク(セラピー)後の変化として、
それまでは怒られるように感じた時に、怖さや居心地の悪さをかなり強く感じていました。
このワーク後に、それらがゼロになったわけではありませんが、そこに同時に安心感もある、という感覚になりました。

そして、このワークによって、その怖さや居心地の悪さの根底に「私が悪い」という思いと、恐怖や罪悪感などがあることが見えたので、
日常生活の中で、気付いた時に、私の中に残っているその感覚に目を向けて、温もりや安心感を届けることをしたりしました。

深く身体に刻まれた感覚は、一度のセッションでは変化しないものも多くあります。
その場合はこうした日常的なケアがとても大切で、これが変化に繋がって行きます。

私たちは「感覚」にリアリティを感じ、それに引っ張られるために、身体に刻まれた感覚が変化していくことこそが、本質的な変化なのです。

私はかなりセラピー慣れしているので(この7~8年、1ヵ月に10回くらいの頻度でやってます)、スムーズに進みますが、
やはりセラピーも慣れが重要なので、慣れていない方の場合はスムーズに進まないこともありますが。

けれどもそれが、今のその方にとっては最善です。
(潜在意識は本当に賢いので、今のその方にとって必要なことを起こしてくれます^^)

そして、スムーズに進まなかったとしても、セラピーでは、自分が気付いていなかった思いや感情など、自分の心の中で起きていることに気付かれる方がほとんどです。
これが癒しの大切なステップです^^

「助けに行ってあげたい」と感じる幼い自分がいる方、
考えでの納得感や認知のレベルでの癒しに限界を感じている方、
ぜひ信頼できるセラピストの元で、継続してセラピーを受けてみられてくださいね。





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